ボタンひと押しで一定時間、出力を上昇させる「Nグリンブースト」、前後のトルク配分を任意で変えられる「Nトルクディストリビューション」、強力な回生ブレーキで車体の動きをコントロールし、コーナリングスピードに寄与する「Nペダル」と「Nブレーキ・リジェン(Regeneration=回生)」。
さらに、モータートルクを制御することで通常の変速機のようなシフトダウンを体感できる「N e-シフト」、ドリフト走行が容易に楽しめる「Nドリフトオプティマイザー」、最大加速性能でスタートできる「Nローンチコントロール」、車内外のスピーカーでエグゾーストノート(を模したサウンド)を流す「Nアクティブサウンド・プラス」……と、機能についても枚挙にいとまがない。
「10秒のあいだ最高出力をしぼりだす」NGB
乗った印象は、BEVというより“IONIQ 5 Nという唯一無二の乗り物”という感じ。一言でいえば、素晴らしく楽しい。
サーキットでは、多気筒エンジンの高性能車もかくやの速さで走り、疑似エンジン音は、考えていた以上にドライブする私の“ヤル気”を鼓舞する。
ドライブモードは「ノーマル」「エコ」それに「スポーツ」が選べ、各モードで走りのキャラクターは、がらりと変わる。
最終コーナーをまわってホームストレートに入ると同時に、ハンドルのコラムに設けられた赤い「NGB(Nグリンブースト)」ボタンを押してみると、先に触れたとおり一瞬でパワーが上がる。
通常は448kWの最高出力と740Nmの最大トルクが、NGBをスイッチオンすると478kWと770Nmに跳ね上がる。「ロケットのブースターってこんな感じだろうか」と思うような加速で、クルマがストレートを駆けぬける。
おもしろいのは、NGBは1回に10秒しか使えないこと。メーター内に「10、9、8……」とカウントダウン表示が出る。サーキットで相手を抜こうというとき、これを参考にしながら、赤いボタンを操作すればよいのだ。
今回の試乗会では、サーキットの駐車場の広い一角に散水して、「Nドリフトオプティマイザー」を試すチャンスも与えられた。
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