日経平均にはあまりこだわりすぎないほうがいい 日本株の上昇は、むしろこれから本番を迎える

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さて、ベテラン投資家なら、日経平均が2000年4月に大幅な銘柄入れ替えがあったことを覚えているだろう。実はそのとき、前述の除数も急上昇しているのだ。

1989年12月時点で「10.198」だった除数は、その後もほぼ同水準で推移していたが、2000年4月には約2倍程度の約20.341へ急上昇した。ちなみに昨年10月以降は30台に乗せており、直近では約30.589である(4月19日現在)。確かに、除数の変更は株価指数の連続性を保つために必要な作業だが、2000年のこの極端な銘柄入れ替えがなければ、その後の株価指数の動きは大きく違ったものになっていたとの意見が多い。

「日経164」なら1999年高値更新、平成バブル比2.6倍

では、2000年の銘柄大幅入れ替えの影響を排除して比べる方法はないだろうか。

実は、現状の日経平均採用銘柄で、1989年12月末時点の株価と単純比較できる銘柄は164銘柄ある。225銘柄中、約73%に相当する。

この164銘柄で、現在の換算係数、除数で調整をほどこしたうえで便宜上「日経164」を算出して遡及してみると、1989年末時点では1万0058円だったことになる。

その後下落して、1992年7月には安値4596円と1989年末の半値弱の水準まで落ち込んだ。だがその後は切り返し、何度か安値水準に接近したものの、一度も割り込むことなく1999年12月には1万0543円となって、最高値を更新している。

さらに、日経164はその後2007年6月に1万2715円の高値をつけた後、リーマンショック後の2009年2月には4972円まで下落した。だがやはり1992年の安値を割り込むことなく、上昇に転じた。そして2023年5月に2万円台に乗せ、日経平均が最高値を更新した2月22日には2万6000円を突破した。つまり比較できる164銘柄で計算すると、実質約2.6倍となっているわけだ。

逆に言えば、現状の株価と比較できない銘柄が61銘柄あり、これらが影響したのかもしれない。だがこのように日経164に限定すると、バブル崩壊後約10年で高値を更新していたということになる。また2013年のアベノミクス以降に限れば、米国株ほどではないものの、十分な上昇トレンドが継続している。

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