日経平均にはあまりこだわりすぎないほうがいい 日本株の上昇は、むしろこれから本番を迎える

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さらに日経平均の昨年末比上昇率は、日経平均が4万0888円をつけた3月22日時点で約22%に達したが、ドルベースで見た日経平均の同期間の上昇率は約14%にとどまった。

この差は、ドル円相場が昨年末の1ドル=141円から150円を突破してドル高円安が進行したことでほぼ説明される。このように、同じ日経平均でもドルと円で見たときに違うように、国内投資家と海外投資家では見える景色にかなりの違いが生じている。

実際、ドルベース日経平均の過去最高値は、終値ベースでは2021年2月16日につけた288.79ドルであり、直近は240.2ドル(4月19日現在)と、約17%下回る水準にある。またTOPIXも1989年12月18日につけた2884.80ポイントに対して、直近は2626.32ポイント(同)と、やはり約9%下回る水準にある。同じ日本株でも、円ベースで見た日経平均だけが過度にスポットライトを浴びる形になっていたのだ。

確かに日経平均は史上最高値を更新し、一時は4万1087円まで到達したが、それは半導体関連株を中心とした米国株高の堅調やドル高円安がなせる業であったのである。

半導体など特定銘柄から、今後は物色が広がる展開へ

さて、日経平均は1月9日以降、4日4日まで実に60営業日連続で25日移動平均線の傾きが右上がりを継続してきたものの、直近はアメリカの利下げ観測が大幅に後退したことや中東情勢の緊迫などで急落した。

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だが、短期トレンドに続き、中期トレンドにも傷がつきはじめているが、月足で見た長期トレンドは、依然右上がりが継続している。日経平均の一時4万円台到達は喜ばしいことだが、この動きはあくまで日本株の一面にすぎない。

今後は年初以降の一本調子での上昇は見込み薄になったかもしれない。だが、調整終了後はTOPIXや、海外投資家目線で見たドルベースでの株価指数も含め、半導体関連に偏らない、足が地に着いた高値更新を目指す展開が始まると見る。

前述のように、日経平均は日本を代表する225銘柄で構成されているが、株価指数に対して個別銘柄が225分の1ずつ平等に寄与しているわけではない。

日経平均が最高値を更新する過程では、東京エレクトロン(8035)、ファーストリテイリング(9983)、アドバンテスト(6857)、ソフトバンクグループ(9984)などの寄与度が非常に大きかった。

だが、いびつな指数の上昇には置いてきぼりをくらったかもしれないが、日経225銘柄以外のTOPIX500銘柄のように、日本株には、むしろ今から高値を目指せる銘柄が依然多数存在していることを忘れてはいけない。4万円を超えるか超えないか、などといった日経平均の目先の数値にはあまりとらわれないほうがいい。調整局面を慎重に見極めながら、リバウンド局面を丹念に拾っていく場面の到来である。

野坂 晃一 日本テクニカルアナリスト協会理事

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Kouichi Nosaka

964年生まれ。函館ラ・サール高校卒、日本大学工学部機械工学科卒。 レーシングマシン等を手掛ける株式会社無限を経て、1989年に証券界入り、企業調査、投資情報、ディーリング業務に携わる。2010年9月に証券ジャパンに入社。 日本テクニカルアナリスト協会理事、国際検定テクニカルアナリスト(MFTA)。

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