ECビジネスで成功する人・失敗する人の決定的差 「コンビニやDS」で手に入らないモノに商機あり

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

お客様を育てていくための施策には時間がかかりますが、継続的な成長のためには欠かせません。特にこれからの時代はその傾向が強くなります。

世の中には、同じようなものがあふれています。たとえばボディーソープを買おうと思えば、どれを選んでいいのかわからないくらい、たくさんの商品があります。よりきれいになるもの、いい香りのするものを選ぼうと思いますが、機能面ではそんなに大きな差はありません。

ECでモノを売るためにすべきこと

そうした中で世の中で求められるのは、機能的価値から情緒的価値に移行しています。

その商品を消費することで、どんな気持ちになれるのか。それがほかの商品では得られない価値になります。消費者はみな、コンビニやドラッグストアに行っても買えない、あるいは買わないものを探しているのです。

では、何が情緒的価値を生み出すのかといえば、その企業や商品だけが持つ世界観です。ボディーソープであれば、忙しい日常の中で、少しほっとできる時間を過ごすためのものだと打ち出す。それをビジュアルや言葉で表現することで、消費者の共感を引き出します。

LOCAL GROWTH 独自性を活かした成長拡大戦略
『LOCAL GROWTH 独自性を活かした成長拡大戦略』(クロスメディア・パブリッシング)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

最低限、「なぜそれをつくっているのか?」「どんな想いでつくっているのか?」といった部分は伝えるべきです。

加えて、「どんな人がやっているか?」という部分も大切です。

一時期から農家の方の顔写真が載ったパッケージの野菜などが売られるようになりました。生産者の顔が見えることで安心と共感が生まれる効果があり、これはECでも同様です。

企業が消費者にダイレクトに商品を売る意味は、ブランド独自の世界観や価値を伝えることにあると思います。ECモールでは、自社の思うように商品の魅力や世界観を表現することはできません。小売店であっても、商品の陳列場所や見せ方をメーカーが強制的に指定することはできません。

それが自社ECであれば、思うようにデザインできる。これからは、自社ECを通してブランドの「世界観」を消費者に伝えることが、ファン獲得へとつながっていくでしょう。

荻原 猛 株式会社ロケットスター代表取締役社長CEO

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おぎわらたけし / Takeshi Ogiwara

國學院大學卒業後、起業するも失敗。しかし起業中にインターネットの魅力に気付き、2000年に株式会社オプトに入社。2006年に広告部門の執行役員に就任。2009年にソウルドアウト株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。2017年7月に東証マザーズ上場、2019年3月に東証一部上場。2022年3月に博報堂DYホールディングスによるTOBにて100%子会社化。博報堂グループにて1年間のPMIを経てソウルドアウト取締役を退任。2023年4月に株式会社ロケットスターを設立し、代表取締役社長に就任。50歳で3度目の起業となる。

この著者の記事一覧はこちら
北川 共史 ソウルドアウト株式会社 専務取締役 COO

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

きたがわともふみ / Tomofumi Kitagawa

1984年生まれ。2007年に株式会社オプトへ入社。2010年にソウルドアウトの立ち上げに参画。東日本・西日本営業部長・営業本部長を歴任し、2018年より営業執行役員に就任。デジタルマーケティングの課題解決力を武器に、全国の中堅・中小企業を最前線で支援し続ける。2019年4月より上席執行役員CRO( =Chief Revenue Officer、最高売上責任者)に就任。2021年3月にはグループ執行役員マーケティングカンパニープレジデント、2023年4月に取締役兼CCO、そして2024年4月より専務取締役 COOに就任。

この著者の記事一覧はこちら
真野 勉 株式会社SUPER STUDIO 取締役 CRO

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

まのつとむ / Tsutomu Mano

1987年、東京都出身。青山学院大学を卒業後、ITベンチャー企業へ入社し、セールスとして同社の東証マザーズ上場に貢献。2014年にSUPER STUDIOを共同創業し、現在はCROとして企業間のアライアンスをリードしている。

この著者の記事一覧はこちら
山口 拓己 株式会社PR TIMES代表取締役社長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

やまぐちたくみ / Takumi Yamaguchi

1974年生まれ。愛知県豊橋市出身。1996年東京理科大学理工学部卒業後、山一證券株式会社に入社。アビームコンサルティング株式会社などを経て、2006年株式会社ベクトルに入社、同社取締役CFO就任。2007年にプレスリリース配信サービス「PR TIMES」を立ち上げ、株式会社PR TIMES代表取締役に就任。PR TIMES、MARPH、Jooto、Tayori等を提供する。2016年3月に東証マザーズへ上場、2018年8月に東証一部へ市場変更(現在は東証プライム市場)。豊橋市未来創生アドバイザーも務める。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事