NECとの相互補完で3年後シェア30%目指す--レノボグループCEO 楊元慶
中国のPC(パソコン)最大手・レノボがNECとPC合弁を設立した。近年、レナウンや本間ゴルフなど日本企業に対する中国企業の買収が増え、昨年は37件を数えたが、エレクトロニクス分野でこれほどの大型案件が成立したのは初めて。NECはここ数年、システム開発やネットワーク分野に傾斜を強めており、ハード事業の中でも採算が厳しいPC事業の再建は、収益回復の重要な課題となっていた。
一方、レノボは2005年にIBMのPC部門買収で脚光を浴びた。同社の10年の世界シェアは4位、11年第2四半期には台湾のエイサーを抜いて3位に躍進。6月にはドイツの大手PCメーカー、メディオンの買収も発表した。立て続けの大型買収で急成長を続けるレノボの楊元慶CEO(最高経営責任者)に聞いた。
--7月1日にNECレノボ・ジャパンを設立し、レノボが51%の過半を握る新会社がスタートしました。日本市場における新会社の成長戦略をどのように考えていますか。
日本は世界第3のマーケットであり、レノボにとって大きな意味を持つ国だ。また、市場規模だけではなく、世界3カ国ある研究開発拠点のうちの一つが日本にあり、重要な拠点だと認識している。
同じPCというマーケットの中でも、NECとレノボのビジネスは実は補完関係にある。大企業向けでは双方とも強力で実績もあるが、中小企業向けやコンシューマー向け、さらに官公庁向けでは、NECは強力なブランド力とセールスパワーを持っている。これを活用することで、レノボ自身もノウハウを吸収して力をつけ、グローバル展開していく中で生かしていくことができる。