フローチャートを「逆」から埋める
プロジェクトプランニングで使われる基本ツールに、フローチャートがある。フローチャートは、何を、いつ行うべきかを書き込んだボックスを、時系列順に左から右へと流れるように配置した図で、右端のボックスに書かれた目的が達成されたとき、プロジェクトは完了する。
この単純な図は、計画フェーズの初期段階にも役に立つ。この図を見れば、プロジェクトそれ自体が最終目的なのではなく、目的(右端のボックス)を達成する手段であることが一目瞭然だからだ。
プロジェクトの計画立案は、まず「なぜこのプロジェクトをするのか?」を考え、右端のボックスに何が入るべきかを慎重に検討することから始まる。それを行って初めて、その左に並ぶ数々のボックス、つまり目的を実現するための最善の手段について考えることができる。
私はこれを「右から左へ考える」手法と呼んでいるが、他の分野にもいろいろな呼び名で呼ばれる、基本的に同じコンセプトがある。
たとえば都市や環境計画には、「バックキャスティング」という用語がある。トロント大学教授のジョン・B・ロビンソンが、エネルギー対策を論じるためにつくった造語だ。バックキャスティングは、予測(フォアキャスティング)とは逆に、まず未来のあるべき姿を描き、そこから逆算して、それを実現するために必要なことを考えていく。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら