震災二重債務対策のカギを握る「産業復興機構」、早期設立には多くのハードル

震災二重債務対策のカギを握る「産業復興機構」、早期設立には多くのハードル

7月25日に二次補正予算が成立し、総額1兆9988億円のうち、二重債務対策として774億円が確保された。この中で、中小企業や水産業の共同施設利用や被災地域産業再整備のための仮設店舗、仮設工場整備に対する予算(約420億円)などは一次補正の上乗せという位置づけだ。

新たに確保された予算で注目されるのが、(1)中小企業再生支援協議会を核とした相談窓口の体制強化(30億円)、(2)中小企業基盤整備機構等が出資する新たな枠組み(1億円)、(3)再生可能性を判断する間の利子負担軽減(184億円)の3つ。
 
 (2)の新たな枠組みに沿う形で、東北3県(岩手県、宮城県、福島県)のそれぞれに被災地企業の債権買い取りを行う「産業復興機構(仮称)」設置に向けた調整が進んでいる。

産業復興機構の前段となるのが、各県に設置された中小企業再生支援協議会の相談窓口の拡充。たとえば、宮城県の支援協議会の窓口相談員は金融機関のOB5人だけしかいない。債権買い取りの判断まで視野に入れ、今後、被災企業の経営相談に応じるとなれば人員不足に陥ることも予想される。
 
 そこで、地元および政府系金融機関、弁護士、会計士、中小企業診断士など外部人材を登用し、被災地各県ともに30名程度の人員増強を見込んでいる。

相談が持ち込まれた案件の中で、債務削減で企業の再生が可能と判断される場合、「産業復興機構」が対象企業の債権買い取りを行う。機構の運営基金は、独立行政法人の中小企業基盤整備機構(経済産業省管轄)による最大8割の出資。残りを県や地元金融機関らの出資金を想定している。

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