なぜ「厚底シューズ」を見ると気分が悪くなるのか 日本企業が競争で勝てなかった根本原因は何か

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競馬である。

4月7日は桜花賞(阪神競馬場で行われる3歳牝馬限定のクラシックレース。距離は1600メートル)。大好きなレースでもあるし、比較的得意なレースでもある。

しかし、今年は外れると思う。なぜなら、あろうことか、先週、先々週と、G1レースの予想が連続で当たっているからだ。こういうときは、もうだめだ。

(ダメなパターン1)このところ調子いいな。予想が冴えている。今週もいただきだ。→最初あたり始めたときは、あまり自信がないから、買う馬券は少しずつ。しかし、調子がよいのを自認して「よーし」と大きく賭けてはずすパターン。

(ダメなパターン2)せっかく調子がいいんだし、きっとこれはツキもきている。それなら、少しだけ穴を狙ってみようか。ついているときは大きく儲けないと。→意識しすぎて、自らの行動パターンを変えてしまう。勝ちパターンをみすみす失う。

(ダメなパターン3)こんなに当たり続けたら、もう当たらないだろう。次は、きっとだめだ。だめだ、だめだ、だめだ。儲けた分を損したくないから、今週はやめておこう。
→せっかくの波を逃す。予想が当たっているのに買っていないというパターンで、後悔の嵐。もう後悔はごめんだと思い、リズムが狂って、もう冴えていないのに翌週はドカーンと賭けて、今度は買わなきゃよかった……というパターン。

こりゃだめだ。

賭けなければいいのだが……桜花賞は「あの馬」の単勝

こういうときはどうすればいいのか? 本当のことをあなただけに教えよう。それは競馬をやめることだ。いや、賭けるのをやめることだ。ただ純粋に予想をする。強い馬を見抜くということに集中して、カネのことは考えない。

要は、岡目八目。これは投資でも同じだ。ポジションを持つと、目が狂う。自分のポジションを正当化する情報だけに目がいくようになる。確証バイアスだ。だから、ポジションを持たないのがいちばんである。

となると、競馬も投資もやめないといけない。困った。真実はつねに不都合だ。

とりあえず予想を。アスコリピチェーノ(5枠9番)とクイーンズウォーク(1枠2番)のどちらかが勝つと思うが、私は後者にする。「(牝馬クラシック3冠2戦目で2400メートル戦の)オークス向き」と言われる馬は、より成長力があるという。

ということは、人々が過去のレースに基づき考えているよりも実際には強いということで、オッズとギャップがある可能性があるからだ。単勝。

※ 次回の筆者はかんべえ(吉崎達彦)さんで、掲載は4月13日(土)の予定です(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

小幡 績 慶應義塾大学大学院教授

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おばた せき / Seki Obata

株主総会やメディアでも積極的に発言する行動派経済学者。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現・財務省)入省、1999年退職。2001~2003年一橋大学経済研究所専任講師。2003年慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應義塾大学ビジネススクール)准教授、2023年教授。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。著書に『アフターバブル』(東洋経済新報社)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(同)、『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)、『ネット株の心理学』(MYCOM新書)、『株式投資 最強のサバイバル理論』(共著、洋泉社)などがある。

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