ピーチがエアバス機を購入する重大な意味 もはや「LCC」とは呼べない?

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ガルーダ・インドネシアグループ系のシティリンクはB737からA320へと機材を変更して、新造機の導入を推し進めている。ルフトハンザ系のジャーマン・ウィング、カンタス航空系のジェットスターなど、採用事例は多い。

ボーイング製に対して、エアバス製の採用が多い理由としては、A320は1984年から生産がスタートしており、工場もフランスとドイツと中国にあり、調達がしやすいという点もあるだろう。つまり、資金に余裕があり、なおかつ直接購入できるだけの信頼を航空機メーカーから得ているなら、インセンティブの可能性も含めて、A320の新造機の導入は合理的な判断である。

ビジネス客も利用を始めている

ピーチに対する信頼は、利用者側の実感としても増している。関西空港の第2ターミナルをほぼ専用のように使っていることもあり、クルマで関空に乗り付けてそのまま海外へ行くなどの場合に利便性が高い。もともと利用者の多くは若い女性やリゾート客だったが、LCCだからと利用を避けていたビジネス客も利用し始めている。

LCCの場合、コストを下げることで、人員の確保が難しかったり、予約数が少ない場合に急なキャンセルがあったりするなど不便に感じるのだが、ピーチでは2014年にパイロット不足で2000便の欠航を出した際にも、早い段階で発表したことで乗客への直接的な影響を最小限にとどめた。

わずか3機とはいえ、今回のピーチによるエアバスからの新造機の直接購入は、日本ひいてはアジア圏におけるLCCの成功モデルを確立するための布石と思える。

もはや、ピーチというLCCを「格安航空会社」という安っぽい響きの日本語で呼ぶのは、適切ではないかもしれない。英語本来の意味である「コスト削減」を基本に、交通インフラとして過度ではなく、必要にして十分なサービスを提供する航空会社として認識すべき時期が来ているのではないか。

川端 由美 モータージャーナリスト
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