ANA羽田―名古屋、32年ぶり復活のワケ

山口宇部減便と名古屋就航の"パズル"を読み解く

あえて新幹線と競合する東京―名古屋線を復活させたANAの狙いとは?(撮影:尾形文繁)

東京―名古屋。首都圏と中部圏を代表する大都市間の移動は、新幹線で最短1時間40分台。出張や観光などの利用では新幹線が圧倒的な区間だ。そこへ全日本空輸(ANA)が32年ぶりに航空路線を復活させる。

同社は7月23日、東京・羽田空港と中部国際空港(愛知県常滑市)を結ぶ路線を10月26日から1日1往復で就航すると発表した。航空券の販売開始は8月26日。運航ダイヤや運賃、使用機材などの詳細は、後日公表する予定だ。ANAは過去に羽田と名古屋小牧空港(愛知県豊山町)を結ぶ路線を飛ばしていたが、1982年6月に廃止していた。

「中部方面から羽田発着の国際線への乗り継ぎ利便性を高めるとともに、訪日外国人の移動需要なども取り込みたい」(広報部)のがANAの狙い。羽田では今春から国際線が大幅に増便。使い勝手のいい昼間帯(7~22時)の発着は従来、中国、台湾、韓国といった近距離アジア路線に限られていた。

ここに、これまで深夜早朝発着しかなかったロンドンやパリ、バンコク、シンガポールなどの中長距離路線が加わり、新たにミュンヘンやバンクーバー、 ジャカルタ、ハノイなどへの直行便も飛ぶようになった。

あえて新幹線に挑む事情

ANAを使って名古屋から海外に行く方法は、これまでも中部発着の直行便に加え、中部から成田を経由する路線があった。今回の羽田―中部線の就航により、羽田で乗り継ぐという選択肢が増えることになる。ただ、新幹線という強大な敵を向こうに回してまで打ち出したこの戦略には、別の狙いもありそうだ。

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