ANA羽田―名古屋、32年ぶり復活のワケ

山口宇部減便と名古屋就航の"パズル"を読み解く

それは“新旧ライバル”への対抗である。まずは旧来からのライバル、日本航空(JAL)だ。羽田―中部線は、JALが1日2往復を飛ばしており、ANAはここに割って入る。

さらに、“新ライバル”の存在も見据えているはずだ。7月1日に日本の国内線への再参入を表明したばかりのエアアジア。かつて合弁会社を設立したこともあった、東南アジア最大級の格安航空会社(LCC)である。

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7月に発足した新生エアアジア・ジャパンは、中部空港を拠点とする可能性がある(撮影:尾形文繁)

新生エアアジア・ジャパンは2015年夏をメドに、国内線就航を目指している。拠点空港は現時点で明らかにされていないが、中部は有力な候補の一つと目されている。

加えて、新生エアアジア・ジャパンは羽田発着路線の就航にも関心を示している。現状、羽田の発着枠に空きはなく、中部を拠点にした場合の首都圏との当初の路線は中部―成田になりそうだ。

ただ、国土交通省の有識者会議では羽田の発着枠拡大が検討されており、エアアジアはここを狙っている。ANAが羽田―名古屋を復活させることは、“かつての仲間”に対する牽制でもある。

スターフライヤーを活用

それにしても、混雑して空き枠のない羽田発着の新路線をANAが就航できるのはなぜか。裏側には緻密な仕掛けがある。実は、ANAホールディングスが18%を出資する九州地盤の新興エアライン、スターフライヤーの救済策と合わせ技になっているのだ。

ANAは羽田―名古屋の就航を発表した同日、羽田―山口宇部のANA運航便について減便を発表している。現状は1日5往復だが、10月26日から同3往復に減らす。

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