若者のやる気を著しく下げる「無駄会議」ベスト3 会議はマネジメントのための道具にすぎない

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正しい会議が正しく連続し、相互につながっていれば、会議の目的はわかるはずだし、報告だけで終わるはずもない。今後どうしていくべきかのネクストアクションも決まるはずだ。

このベスト3の「無駄会議」の問題は、相互につながっている、と言える。

正しい会議のやり方

私は『脱会議』の著者ではあるが、会議は必要だと考えている。ただ、正しい会議のやり方よりもまず、正しいマネジメントのやり方を知ることが先だ。会議はただの道具だからだ。

マネジメントサイクルの基本はPDCA。計画を立て、そのとおりに実行し仮説検証する風土をつくることがまず第一。実行力がない組織に、会議などいっさい必要ない。会議を増やすことで実行力が伴うことなど、ありえないからだ。新刊『若者に辞められると困るので、強く言えません』に書いた通り、上司と部下とのリアルな対面コミュニケーションのほうが、はるかに大事だ。

計画の精度、実行力のある組織文化が醸成されてはじめて、定期的にチェックし、改善案を出し合うというマネジメントサイクルをまわすことができる。

「無駄会議」があふれる組織は、空気が悪くなる。タイパ(タイムパフォーマンス)を重んじる若者のやる気は著しく落ちるだろう。上司が会議に忙しいせいで、部下との接触を減らし、相互の関係も正しく構築できなくなるからだ。

まずは「無駄会議」の特徴を認識し、ひとつでも減らしていこう。「無駄会議」が多くある会社に、優秀な若者が定着するはずがない。

横山 信弘 経営コラムニスト

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よこやま のぶひろ / Nobuhiro Yokoyama

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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