フォーミュラE「裏側から観た」東京大会の意気 チームはこの「東京E-Prix」をどう見たか?

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おもしろかったのは、エンビジョンのパワートレインもジャガー製だったことだ。結局、15戦はジャガーのミッチ・エバンスが制したが、翌日同じ場所で開催された最終戦(第16戦)はエンビジョンのニック・キャシディが勝利し、果たしてエンビジョンレーシングが選手権を手中におさめた。観ていて、私もかなり興奮してしまった。

今季は、そのエンビジョンレーシングでドライバーを務めたニック・キャシディが、ジャガーTCSレーシングに移籍。エバンスとタッグを組むことになったのだった。

ニック・キャシディは日本のスーパーGT選手権に参戦した経歴も持つ(写真:Simon Galloway/FIA)
ニック・キャシディは日本のスーパーGT選手権に参戦した経歴も持つ(写真:Simon Galloway/FIA)

東京の前にサンパウロで開催された第4戦の結果、キャシディがドライバーズポイント最多の1位、ジャガーTCSレーシングはチームランキングで1位。それで東京での第5戦に臨むことになっていた。

プレミアムBEVブランドとなるジャガーにとって

ジャガー(ジャガーTCSレーシング)がフォーミュラEに初参戦したのは、2016ー17年。レースからの撤退を決めたトゥルーリチームを買い取っての参戦だった。

このときジャガーの経営陣の念頭にあったのは、量産車とのイメージのつながりをもたせることだっただろうか。バッテリー駆動のSUV「I-PACE(アイペース)コンセプト」が発表されたのは、2016年11月のロサンゼルス自動車ショーだった。

I-PACEは東京E-Prixのコースカーとしても活躍した(写真:Jaguar)
I-PACEは東京E-Prixのコースカーとしても活躍した(写真:Jaguar)

「技術の分野では、I-PACEにフォーミュラEで試した(重量エネルギー密度の高い)シリコンカーバイドの駆動用バッテリーを搭載するという形で関連性を持たせられたし、一方でマーケティング面でも、I-PACEのセールスにイメージ的な貢献が得られました」

そう語ってくれたのは、ジャガー本社で広報を担当するグローバルヘッド・オブ・PRのケン・マコノミー氏だ。今ジャガーは、2025年にまったく新しい、一説によるとベントレーとの競合になるようなプレミアムクラスのBEVブランドになるともいわれている。

「参戦時にはそこまでのブループリントは念頭にありませんでした」と、マコノミー氏。しかし、結果的にジャガーは2024年6月にはICE(エンジン搭載車)の生産をやめ、2025年からバッテリー駆動車専門のブランドになるとしている。

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