3年契約の2年目が終了「東京でフォーミュラE」は興行として成功と言えるか? いち観戦者の目線で見た「東京E-Prix」のリアル

「電気のF1」とも表現される、世界最高峰のEVレース「フォーミュラE」が東京・有明エリアの一般公道を用いて、5月17~18日に開催された。
エンジン音がないEVだからこそ開催できた東京でのレースで、昨年に続き2年目となるが、開催前から多いに話題となっていたものだ。

東京で開催されるレースとはどんなものだろうか。普段、国内モータースポーツの取材を生業としている筆者は今回、一人の観戦者として2日間とも会場を訪れた。
なお、今大会の正式名称は「ABB FIAフォーミュラE世界選手権 2024/2025年シーズン11第8戦&第9戦『東京E-Prix』」といい、2日で2戦が行われている。
電車で行ける気軽なレース
観戦者の立場として東京E-Prixが画期的なのは、なにより「東京で開催された」ことだ。
世界には都市部で気軽に行けるサーキットも数多くあるが、日本では広い敷地が確保できないことや騒音の問題などがあるため、多くのサーキットは郊外の山間部を切り開いたところに存在している。
三重県にある鈴鹿サーキットは都市部にあり、電車やバスの公共交通機関で行ける場所に存在しているが、国内では稀有な存在だ。そのため、モータースポーツを楽しむためには、「サーキットに行く」がまずハードルとなる。

公共交通機関でサーキットに行けるように、レース開催日は電車やバスを運行するなど工夫は施されているが、多くの観戦者は自家用車を使う。
数千人から数万人もの人が車で移動するから渋滞も頻繁に起きるし、深夜のうちからサーキット周辺に赴き、帰りは渋滞にハマりながら宿泊地や自宅へ向かうこととなる。
だから、ゆりかもめや電車、バスなどの公共交通機関で気軽に行ける東京E-Prixは画期的なのだ。ジャパンモビリティショーの開催地でもある東京ビッグサイトの構内道路と、周囲の一般道を封鎖してコースを設置している。

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