消費者の関心は企業の想いへの共感に変わった 所有の喜びだけではもうモノは売れない
当時は、マスメディアが主な情報源だったため、多くの人がその時々のトレンドを追いかけていました。しかし、現在は全国規模のブームというものは少なく、1人ひとりが自分の好きなものを楽しむ時代に変わりました。その結果、多様化するニーズに合わせて、様々な商品・サービスが生まれるようになりました。
また、商品・サービスが増加している背景には、テクノロジーの進化により起業のハードルが低くなったことも考えられます。
お店を持たずにECサイトで商品を販売したり、SNSで広告を配信したりするなど、少ない予算でも新しいブランドを始められるようになりました。
日本でも、若手起業家が増えつつあり、新しい感性を感じる商品・サービスが増えてきています。
ニーズが多様化したことと、テクノロジーの進化によって起業のハードルが低くなったことにより、商品・サービスの数が圧倒的に多くなりました。
テクノロジーの進化は、クリエイティブ制作の民主化をもたらしました。具体的には、映像制作、画像の加工、音楽制作など、当時は各分野の専門家にしかできなかったことが、誰でも、簡単に編集し、世界に発信できるようになりました。
それを実現したのは、クリエイティブを共有できるSNSや、クリエイティブ制作を気軽に楽しめるソフトウェア、高性能のハードウェアの存在です。
1日の間に目にする映像や写真、音楽などのコンテンツ量が圧倒的に増えたことで、企業が発信したいことをお客様に届けることは、非常に難しくなりました。自分の判断で自由に使うことのできる時間には限りがあるため、この限られた時間を、様々なコンテンツが奪い合う時代が始まったのです。
コンテンツが溢れている状況において、広告は存在感を示すことが難しくなっています。
所有ではなく意味を重視する新しい価値観
新しい世代の価値観も、目立ち始めています。ミレニアル世代やZ世代が、20、30代になり、少しずつ価値観がアップデートされていくのを感じるようになりました。
この世代は、生まれた時から、モノが豊富にある環境で育っているので、所有することにこだわりが少なく、所有よりも意味を重視すると言われています。また、膨大な情報やコミュニティを選ぶことができるようになったため、多様性を重視し、ジェンダーや社会問題に対しての興味・関心が高いとも言われています。
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