社員が思わず人にしゃべりたくなるのが効果的なCSR活動《組織・人を強くするCSR 第1回》
第3がブランドの構築。住友化学は、オリセットネット(殺虫剤を織り込んだ蚊帳のアフリカへの生産・技術供与活動)の成功によって、グローバルな社会貢献に熱心な会社というブランドイメージが定着している。そして、第4が組織の活性化である。
“前向き社員”をつくり出すCSR
クレイグはこの第4の組織活性化こそがCSRの成果として最も価値が高いと考えている。
まずデータを見ていただきたい。下図はクレイグがある会社で社員にアンケート調査を行った結果である。
アンケートでは、(グラフ横軸に並んだ)同社が行う「CSR活動を知っていますか」という問いに答えてもらった。青の折れ線グラフが「知っています」と答えた割合、赤の折れ線グラフが「知らなかった」と答えた割合だ。同じアンケート調査の項目で「あなたは自社に誇りを感じていますか」と聞き、「あてはまる」と答えた人の割合を縦軸に取っている。
この調査からわかることは、自社のCSR活動を認知している人は、そうでない人と比較すると20ポイント程度、自社への誇りにつながっている度合いが大きいということだ。これは、自社のCSR活動を認知することで、社員が自らの経験やノウハウが社会のために役立っていることを実感できることにあると考えている。
言い換えれば、CSR活動を行うことが、社員の働く意識や意味を明確にして、仕事や自社に対し前向きな姿勢をつくり出すことを表している。