35歳でNTT辞め、たどり着いた野球とITの最先端 選手の進化をスポーツ科学で促すネクストベース

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ITと野球という2足のわらじが続く中で「次のステージ」への模索が続いた。

ネクストベースの中尾信一社長(写真:筆者撮影)

専門だったIT分野と野球、スポーツを生かす事業を、と2014年にネクストベースを創業した。しかし確たる目算もなかったので、創業して2年半も「ネタ探し」をしていたという。

「周囲では有望そうなビジネスを立ち上げた人が、みんな途中で力尽きていた。なぜだろうと考えて、成功に必要なのは社会に対してインパクトがあるか、そしてビジネスとしての継続性があるか、だと思い至った。そして悩んだ揚げ句にたどり着いたのが『スポーツ科学』というテーマでした」

ゴールデンイーグルスのアナリストと出会う

そのタイミングで、中尾氏は、東北楽天ゴールデンイーグルスのアナリストで、国際武道大学の教員でもあった神事努氏の講演を聞いた。

「リリースポイントが何センチずれるとこんなピッチングになるとか、数値で語り始めたんですよ。最初は『わかるわけないだろう!?』と思いましたが、すごく新鮮だったので、名刺交換して『さっきの話、もうちょっと聞かせてください』と食事に誘って話を聞いたのが始まりです」

中尾氏の野球選手としての「勘」とビジネスの「嗅覚」が、神事氏の話に敏感に反応したのだ。

「バイオメカニクス(生体力学)などの専門家は堅苦しい専門用語や、英語を使って現場の人にはよくわからない説明をすることが多かった。でも神事は当時から、講演でもそれをわかりやすく話していましたし、私などがわからないながらも質問をすると、明確な回答を返していた。ぜひ、これを現場に落として事業にしたいと、1年間口説きました」

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