系列2社を完全子会社化 トヨタが国内再編へ一歩
トヨタ自動車は13日、系列車体メーカーのトヨタ車体と関東自動車工業(関自)を、2012年1月に株式交換で完全子会社にすると発表した。
さらに関自は同年7月に、車体メーカーのセントラル自動車、部品メーカーのトヨタ自動車東北と経営統合する。関自は岩手県、セントラルとトヨタ自動車東北は宮城県に、主要な生産拠点を置いており、今回の統合で東北で小型車を一貫生産する体制が整う。
トヨタは愛知県を核としつつ、九州を高級車、東北を小型車の生産拠点とする国内三極構想を進めている。今回の決断は、その流れに沿ったものだ。10年5月ごろから、トヨタの国内生産見直しの過程で持ち上がった話だという。
トヨタ車体はミニバンや商用車などの生産をトヨタから請け負ってきたが、今後は車両の開発まで踏み込む。特に、新興国向けの商用車開発に期待が寄せられている。
関自を核とした新会社には、小型車に特化して開発能力を向上させることが求められている。こちらも力点を置くのは、海外生産用車種だ。
今や新興国市場が収益源であるトヨタにとって、新興国で売れる小型車や商用車の拡大は最優先課題の一つ。トヨタ本体は国内生産縮小や円高で営業赤字が続いている。そのうえ次世代環境車開発などで、技術陣は超繁忙だ。車両開発機能を車体メーカーに移譲するのは、自然な流れだといえる。
生産集約は明言せず
一方、再び1ドル=70円台をつけた円高局面での決断ながら、生産体制見直しには踏み込まなかった。トヨタで生産を担当する新美篤志副社長は「(統合会社の)設備見直しは当然想定しているが、車体メーカーが自主的に決めること」と明言を避けた。
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