うまい焼き鳥を見抜く「プロの5本」教えます これを頼めば、誰でも店の実力が見抜ける!
N君:せっかく買ってきたので、まずは大手スーパーの「ねぎま」を食べ比べてみましょう。某大手スーパーA店のビッグサイズのねぎまと、某惣菜チェーンB店の普通サイズのねぎま。両方とも値段は100円前後です。
河岸:(両方とも一口食べて)これまで食べた「もも」「つくね」と同じように、肉はA店もB店もどっちもおいしくない。
N君:(自分も食べて)まあ、よくあるスーパーの焼き鳥ですよね。こんなもんじゃないですか?
河岸:それは、普段おいしい焼き鳥を食べてないからだよ。特にA店は、タイか中国ですでに焼いたものを、冷凍して運んできただけだと思う。B店は店内で焼いているけど、切ってから焼くまでに長時間たっているから、これも全然おいしくない。おそらくブラジルから輸入した鶏肉じゃないかな。
N君:産地まで類推できるんですか。前々回解説したように、焼き鳥のおいしさは「2つの鮮度」が決め手なんですね。
河岸:そう。それに問題は「ねぎ」だね。B店は「生のねぎ」を焼いているからまだいいけど、問題はA店。冷凍したのを解凍したやつだから「ネチョネチョ」しているでしょう。
「冷凍ねぎま」も増えてきた!
N君:あれ、ねぎも冷凍できるんですか? 前作では「ねぎは冷凍に不向きだから、冷凍焼き鳥の店には『ねぎま』がない」と書いていましたが。
河岸:そこなんだけど、前作の影響のせいか、「冷凍ねぎま」もけっこう流通するようになって、それを仕入れる店が増えてきたんだ。
N君:某人気イタリアンチェーンも、前作のルポで取り上げたせいか、メニューの「表示方法」がだいぶ改善されましたよね(苦笑)。ねぎも技術が進んで、冷凍できるようになったということですか?
河岸:「ショックフリーザー」という機械があって、これを使うと、マイナス40℃ぐらいで一気に急速冷凍できるわけ。そうすると食品の組織を破壊しないから、味も食感も損なわずに冷凍保存ができる。それから雑菌の繁殖しやすい温度帯(10~60℃)を一気に通過するから、衛生管理もしやすい。
N君:それはすごい。今まで冷凍に向かなかったねぎも、冷凍できるようになったってことですか。
河岸:とは言うんだけどね、やっぱりねぎに関してはダメなんだ。だって、家で普通にねぎを切って串に刺して焼いたら、こんなに「ネチョネチョ」にはならないでしょ?
N君:確かに、生のねぎだったら、もっと「シャキシャキ」してますよね。これはシャキシャキ感が全然ない。
河岸:だから、「ねぎまの有無」では判断できなくなったけど、「ねぎまの『ねぎ』のシャキシャキ具合」をみれば、冷凍やきとりかどうかは、ある程度わかる。だから店に入ったら、まず「ねぎま」を塩で食べて、ねぎが「シャキシャキ」してなかったら、その時点で席を立つ。
N君:なるほど(笑)。「1本目」に「ねぎま」を頼んで「冷凍焼き鳥の論外の店」か「まともな店」かを見分けるわけですね。では、「2本目」は?
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