河岸:よく焼き鳥とかの串モノは「2本以上でないと注文を受けない」って店があるでしょう。
N君:ああ、そういう店、よくありますよね。
河岸:客単価を上げるためにそういうことをやるんだけど、それだとひとりで行ったときに種類をいろいろ食べられないじゃない。今、挙げた5本を食べるためには10本食べなきゃいけない。
N君:焼く手間を減らしたいんでしょうけど、それが「お客さんのためか」というと微妙ですね。
河岸:もちろん「お客さんのため」ではなく「店のため」にやっているわけだね。そんな店は「儲け至上主義」で、お客さんのことを考えていない。そういう店はもうその時点で……。
N君:席を立つと(笑)。そういえば、5本の中に「レバー」がありませんね。一番鮮度がよくわかるんじゃないですか?
河岸:レバーはねえ……。まあ、その話はネット向きじゃないから、ここではやめておこう。
N君:ネットでは書けない、ってことですか。なんか、気になる発言ですね……。いや~、それにしても勉強になりました。今度、焼き鳥店に行ったら、まずは「この5本」を頼みますよ。そしたら僕も「焼き鳥通」ですね! 後輩を連れて行ってウンチク垂れようっと。
河岸:うーん、「通」の前に「自称」がつくんじゃないの(笑)。
N君:ひどいなぁ~。どうせなら、席を立つところまでマネしたいのに(笑)。
というわけで、「『この5本』を頼めば、焼き鳥の実力がわかる!」は以上です。
次回は、焼き鳥シリーズの完結編。「店の実力を瞬時に見抜く注文の仕方」や「焼き鳥をおいしく食べる順番」などを解説します。焼き鳥シリーズ1回目で「そもそも、今回のN君の『頼み方』にも残念な点があります。何かわかりましたか?」と言った答えもわかるはずです。
併せて、「焼き鳥は炭火焼がおいしい」といわれますが、その理由は何なのか、電気グリルとは何がどう違うのか、その理由も解説します。
最後に、家でおいしい焼き鳥を作るにはどうすればいいか、その秘訣も公開して焼き鳥シリーズはひとまず完結の予定です。ミシュラン店や神楽坂の人気店、某「店で串を刺している」のを売りにしている人気チェーン店、そしてついに見つけた神田の絶品焼き鳥店についてのルポは、次回作に掲載する予定です。
楽しみにお待ちください。
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かわぎし ひろかず / Hirokazu Kawagishi
食のプロや業界関係者のあいだで「食品業界を知り尽くした」と言われる男。大手ハムメーカー、大手卵メーカー、大手スーパー&コンビニ、数々の食品工場での勤務経験から「肉のプロ」「卵のプロ」「スーパー・コンビニのプロ」とも呼ばれる。
1958年、北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、「農場から食卓まで」の品質管理を実践中。「食品安全教育研究所」代表。
これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハム・ソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け惣菜工場、卵加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。
著書に『スーパーの裏側』(東洋経済新報社)、『ビジュアル図解 食品工場のしくみ』(同文舘出版)などがある。
ホームページ「食品工場の工場長の仕事とは」を主宰。
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