マッキンゼー流「休みつつ働く」ことのすごい成果 根を詰めた姿勢は思考を阻害してしまう

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欠乏感は人を行動に駆り立てます。しかし、欠乏感は同時に、常に刺激を求めます。刺激というのは不思議なもので、最初は弱い刺激で満足していたとしても、もっと強い刺激を欲して心がそわそわしてしまうのです。

私はこの欠乏感もまた、現代の人たちの集中力を奪ってしまっている要因だと思うのです。人がスマホを見る理由の1つは、「刺激」なのだそうです。ニュースを見るのも同じ理由でしょう。つまり、集中できないのは「スマホがあるから」ではなく、「常に何かをやっていないと気が済まない」「常に刺激がないと満足できない」という欠乏感が関係しているのです。

「思考」「行動」のための集中

今でこそ、「集中しない集中」を心掛けている私ですが、以前はまさにオールドスタイル、いわゆる「がんばる働き方」をしていました。私は大学を卒業後、マッキンゼーに入社しました。当初、私はひたすらがむしゃらに働きました。毎日深夜まで集中して働き、一つの仕事が終わればすぐ次の仕事に……という毎日の繰り返しだったのです。

しかし、そんな生活を長く続けられるわけもなく、あるとき急に緊張の糸が切れ、いわゆる「燃え尽き症候群」になりかけました。そんなとき不思議といきいきしている先輩やメンバーがいることに気づき、何が違うのか観察しました。

そこでわかったのは、「集中の質の違い」があるということです。彼らはもちろん集中して働いていたのですが、毎日朝から晩まで集中しているわけではなく、「無駄な仕事」と「必要な仕事」を見極め、必要な仕事だけに短時間集中するという働き方をしていました。

周囲には、「午後6時に帰るのに、成果はきっちり上げる先輩」や「マシーンと呼ばれるくらいのスピードで資料を仕上げる先輩」などがいて、「これが集中するということか」とあっけにとられたのを覚えています。

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