「見た目の良さ」が他のすべての評価を高める訳 ビジネスにも応用できる「ハロー効果」の力

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1977年にミシガン大学のリチャード・ニスベットとヴァージニア大学のティモシー・ウィルソンが、より制御された環境で、ハロー効果の実験をした。

被験者となった118人の学生は、2グループに分かれて、ベルギー人の講師が英語で話をするビデオを見た。講師の英語には強い訛りがある。

第1グループが見たビデオでは、温厚そうでフレンドリーな様子で喋る。第2グループが見たビデオでは、同じ人物が冷たく、人間味のない雰囲気で喋る。仕草の癖や訛りはどちらも同じだ。

被験者はこの講師の好感度、外見、仕草、訛りについて評価をする。予想がつくかもしれないが、温厚な講師のほうが、冷たい講師よりも好感度が高く、72%もの差がついた。

ところが温厚な講師は、その他の指標においても、冷たい講師よりも評価が高かった(外見と訛りではほぼ100%、仕草については53%ほど、高く評価された)。

客観的に考えれば人間としての好感度で外見が違って見えるわけがないし、仕草や訛りの評価が変わるはずもないのだから、これは興味深い結果だ。

ハロー効果はビジネスにも見られる

ソーンダイクならおそらくわかっていたことだと思うが、評価は「客観的に」されるとは限らない。そしてハロー効果は兵士や学生だけに生じるものでもない。商業的な場面でも見られる。

私がジョアンナ・スタンレーとともに行った実験では、イギリス人の被験者404人に架空の青果店に関する説明をして、その青果店の品ぞろえがどれくらい充実していると思うか尋ねた。

被験者の半分には、その店の看板に誤字(間違った位置にアポストロフィ「’」がついている)があると教えた。残りの半分の被験者には、そのようなミスはないという設定で説明をした。

結果は歴然としていた。誤字について聞いていた被験者たちは、誤字の話を聞かなかった被験者たちと比べて、その店の品ぞろえは悪いという答えが17%多かった。

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