高評価「FF7リバース」遊んで驚いた"粗隠し"の妙味 フォトリアルな描写に「コミカル」設定を活用

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なお、『FF7リバース』は全般的にキャラクター設定の癖が強い。筆者は、暗殺者であるユフィの「シュシュシュ」と言いながらパンチする様子をどうしても受け入れられなかった。この“ふざけ方”を受け入れられるかどうかで本作に対する評価は大きく変化するだろう。

「ヘンな格好」もコミカルならば受け入れられる

キャラクターたちが水着姿になるシーンもあるうえに、そのままバトルに入ることも(画像は『FF7リバース』公式サイトより)

ギャグ化することによる代償について書いたが、しかし全般的に見ると『FF7リバース』のコミカルな雰囲気はよい方向に働いているだろう。やはりシナリオの粗を隠してくれるのも大きいが、メタ的なギャグを使えるのもよい。

本作ではバトル勝利時に、仲間が「勝利のファンファーレ」(シリーズおなじみのジングル)を口ずさむことがある。これはプレーヤーが聴く音楽なので登場人物が口ずさむのはおかしいのだが、ギャグであるならばささいな問題になる。

仲間の格闘家「ティファ」の露出度が高くて防御する気のない服や、クラウドの肩のボルトやデカすぎる剣もコミカルだとなんとなく許せるだろう。チョコボ農場で働いている女性がやたらとキレイな服を着ているのも妙だし、明らかに裏切りそうな人物をさらっと仲間に受け入れるのもどうかしている。

宿敵である「セフィロス」がクラウドを導きすぎてセリフが毒親のようになっているのも妙だが、コミカルな雰囲気なら受け入れやすいのだ。

昔のゲームを作り直すとシナリオやデザインの古さ、あるいは解像度の低さゆえに目立たなかった粗が問題になる。だが、それをコミカル、あるいはギャグという形で処理したのは優れている。これこそ「ファイナルファンタジーらしさ」の1つなのかもしれない。

渡邉 卓也 ゲームライター

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わたなべ たくや / Takuya Watanabe

いわゆるテレビゲームを専門にコラム・評論などの記事を書くライター。大学卒業後はサラリーマンになったが、満足にゲームを遊べない環境にいらだちを覚えて転身。さまざまなメディアにゲーム関連の記事を執筆。駄作に対して厳しく書いてしまうことでも知られる。

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