コンサルタントは入社1年目から徹底的にビジネスの基礎を叩き込まれる。しかもその基礎は他業界に移っても、15年、20年たっても普遍的なスキルとなる。春から新社会人になる人も、ベテランの人も、改めて確認しておきたいビジネススキルについて、ビジネスコンサルタント・大石哲之氏の著書『コンサル一年目が学ぶこと』から抜粋してお届けする。本稿のテーマは「雲雨傘提案の基本」。
コンサルタント1年目で学んだことのなかで、とりわけわかりやすく、すっと頭に入ってきたことのひとつに、雲雨傘の論理があります。
「黒っぽい雲が出てきたので、雨が降り出しそうだから、傘をもっていったほうがいい」
これは、事実と、解釈と、アクションの区別をつけることのたとえです。いったいどういう意味でしょうか?
事実、解釈、アクションを区別する
雲というのは、「事実」をさします。実際に目で見て観測したこと。雲が出ているということは、誰が見てもわかる客観的な事実です。
雨が降りそうだというのは、その事実から推測される「解釈」です。雲が黒いという事実から、雨になるだろう、という解釈を引き出しているのです。
最後は、傘です。雨が降り出しそうだ、という解釈から、傘をもっていくという「アクション」を起こしています。
もう一度整理すると、次のようになります。
(事実) 「空を見てみると、雲が出ている」
(解釈) 「曇っているから、雨が降りそうだ」
(アクション)「雨が降りそうだから、傘をもっていく」
(解釈) 「曇っているから、雨が降りそうだ」
(アクション)「雨が降りそうだから、傘をもっていく」
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