コンサル1年目が学ぶ「雲雨傘」の論理とは何か 「雲があって、雨が降りそう、だから傘を」

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ここで大切なのは、①事実②解釈③アクションの3つをきちんと区別することです。

これを混同したり、一部を省略して結論づけたりしてしまうと、筋が通らない話になってしまいます。よくある失敗例をご紹介しましょう。

「だから何なのか?」という解釈

失敗①「雲」だけで提出してしまう

入社1年目で必ずやってしまう失敗は、上司に調べものを依頼されたときに、データのグラフや事例の記事だけを上司のところにもっていって、「できました!」と報告してしまうことです。依賴されたテーマに関連しそうなデータや、記事をコピペしてきて、それをレポートと称して上司に出してしまうのです。

新聞や雑誌の記事からたくさん情報を集めて、報告に行く。褒められるかと思っていたら、死ぬほど怒鳴られます。

「なんだこれは!これをどうしろというんだ。俺がこの記事を全部読めというのか?」

上司の言うことはもっともです。

ここで新人が怒られた理由、それは自分なりの解釈がなかったことです。雲雨傘の例でいうと、雲(データや観察事項に相当するもの)を単に提示しただけ。実に不親切です。

単にデータや記事を渡すだけではなく、そこから何が言えるのかをセットでもっていかなくては、意味のある報告にはなりません。

たとえば、あなたが医者にかかり、血液検査をしたとします。そして1週間後、検査の結果が告げられました。

アラニントランスアミナーゼ、ヘマトクリット値、GGT……、わけのわからない項目と数字を見ながら、医者はあなたにこう言います。

「はい、血液検査結果です。これを見て、どうぞ考えてください」

あなたは憤慨して、きっとこう言うに違いありません。

「え?わたしには解釈なんてできません。この数字を解釈するのが医師の仕事では? そして、悪いところがあるのなら、薬をください!」

まさに事実だけのレポートを提出する新人は、この医師と同じです。

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