コンサル1年目が学ぶ「雲雨傘」の論理とは何か 「雲があって、雨が降りそう、だから傘を」

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これは、客観的な消費データに基づくものなのか、たぶんそうじゃないかというあなたの推測なのか、それとも最近の一般的なトレンドについて言っているのか等々、さっぱりわかりません。これでは、厳密な議論はできません。

事実と意見をきちんと区別して提示する。

見出しをつける

「事実」「わたしの解釈」「推奨アクション」
の3つの見出しをつける

事実、解釈、アクションをきちんと区別し、
「だから何?」「どうしてそうなるの?」への答えを明確にする。

これは、いわゆるロジカルシンキングの基本です。

そして、これは、コンサルティング会社だけで求められるスキルではありません。社会人なら、どんな仕事に就いていてもクリアすべき、基礎中の基礎のスキルです。

では、どうしたら、このスキルをすみやかに身につけることができるのか? いちばん簡単な方法は、見出しをつけることです。

何か文章を書くときに、

(事実)
(わたしの解釈)
(推奨アクション)
コンサル一年目が学ぶこと 新人・就活生からベテラン社員まで一生役立つ究極のベーシックスキル30選
『コンサル一年目が学ぶこと』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

といった具合で見出しをつけることによって、頭の中がスッキリ構造化されます

それをそのまま仕事相手に見せてもよいでしょう。相手にとっても、事実、解釈、アクションが区別できて、とてもわかりやすいはずです。

さらに、この見出しはチェックリストとしても機能します

この3つが揃っていない提案には、説得力がありません。すぐに、「だから何?」「どうしてそうなるの?」と言われてしまうでしょう。

すべての文書は、3つの見出しについて、適切に中身が埋められていて筋が通っているかどうかをチェックしてから提出すべきです。

「雲雨傘」の考え方
「雲雨傘」の考え方まとめ(画像:『コンサル一年目が学ぶこと』参照)
その提案の
・事実(雲)
・解釈(雨)
・アクション(傘)
は明確か?
大石 哲之 作家・コンサルタント

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1975年生まれ。慶應義塾大学卒業後、外資系コンサルティングファーム、インターネットスタートアップ・エグゼクティブサーチファームの創業などを経て、現在は海外に拠点を移し、投資家としてプライベートな活動を行っている。著書に『3分でわかるロジカル・シンキングの基本』(日本実業出版社)、『過去問で鍛える地頭力』(東洋経済新報社)など20冊以上。

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