経験の浅い新人でも「武器」を持てる納得の方法 気の利いた言葉より強い説得力を持つものとは

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わたしは、特にたいした経験もなければ、経営に関してはまったく何も知らない単なる新人でした。しかし、顧客が知らなかった事実を数字で示すことによって、価値を認めてもらえたのです。

数字こそが、一年目の武器になる。おかしいと思ったら、事実を集めて数字にする

このように、動かせない事実こそが、新人にとって、もっとも有効な武器となります。

たとえば、社内で、非効率だったり、理不尽だったり、無駄だと思えることがあって、それを改善したいと思っているとしましょう。そういうときに、

「○○は非効率だと思います。変えるべきです。危機感をもってください」

こういう言い方をしてしまうと、人には伝わりません。相手の危機感を煽ろうとしても、逆効果です。なぜ新人がそんな偉そうなことを言うのか、と思われてしまいます。

だから、新人であればあるほど、事実を拾ってこないといけないのです。

いくら新人の提言であっても、それが事実ならば、聞いてもらえます。

意見は封殺されることがありますが、事実は封殺しようがありません。

自分しか数えられないデータが有効

「○○がおかしい」と思ったら、まず、事実を集めましょう。集めるときは、大上段にかまえたものではなく、具体的なものを集めるようにします。

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たとえば、街角で調査員がカウンターをもって数えている、あのデータのように、ウェブサイトや新聞に載っていない、あなたが数えなければ決して数えることができないようなデータこそが、有効です

誰が、何を、何回したのか。

どれが、いつ、何回利用されているのか。

こういう数字を集めてきてください。それこそ、カウンターをもって現場調査をしてもいいでしょう。

もしあなたが集めた数字に意味があれば、少なくともそれが完全に無視されることはありません。そして、そういう地道なことをするのが、新人の役割でもあるのです。

経験のない一年目の唯一の武器が、数字。それもほかでは得られない、独自に集めた数字が有効。
「数字で語る」の要点まとめ
大石 哲之 作家・コンサルタント

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1975年生まれ。慶應義塾大学卒業後、外資系コンサルティングファーム、インターネットスタートアップ・エグゼクティブサーチファームの創業などを経て、現在は海外に拠点を移し、投資家としてプライベートな活動を行っている。著書に『3分でわかるロジカル・シンキングの基本』(日本実業出版社)、『過去問で鍛える地頭力』(東洋経済新報社)など20冊以上。

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