コスパ重視、職場で「ファスト・スキル」求める若者 働く若者が抱える「挑戦と保身」のジレンマ
若い世代における「働きやすさ」と「働きがい」は反比例している、という分析結果も散見されるようになった。貴重な人材に配慮し、「働きやすさ」を追求することで、結果的に働きがいが低下しているとなれば、これは皮肉なことだ。
希望通りにならないと「ガチャに外れた」
3つ目と4つ目は、やや趣向が異なる。
3つ目は、配属が希望通りにならなかったときの退職だ。そんなことなら昔からあっただろう、と思われる人も多いと思うが、昔と異なるのは若者のリアクションだ。
昨今の特徴として、その若手に対し、なぜ希望通りの配属にならなかったかをしっかり説明しなければならない。理不尽でないことを、時間をかけて理解してもらう必要がある。
そんな一連の努力を重ねてようやく「わかりました。ありがとうございます」という返答が返ってくる。翌週の退職願いとセットで。
「わかりました」って言ったじゃないか!
というツッコミは通用しない。彼or彼女がわかったのは「会社の考えと自分のそれとは違う」ということなのだ。
かつて若者はこのことを、「配属(異動)ガチャに外れた」と表現してきた(もう誰も言いません)。しかし、経営者や上司にしてみれば、異動や配属には当然、意味がある。決して偶然ではなく、あみだくじで決めているわけではない。
つまり、配属も異動もガチャではない。親ガチャや国籍ガチャ、見た目ガチャとは、本質的に全く異なるものだ。配属や異動には根拠があるのだ。にもかかわらず、若者は「ガチャに外れたんで、会社辞めるわ」となる。
昨今の若者の潮流として、会社や組織のことを、自分からは遠く離れた大きな流れのようなものと見なす傾向が強くなっている(実際には自分とたいして変わらない人たちが働いているだけなのだが)。
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