あなたにも出来る!社労士合格体験記(第32回)--時間外労働の基準は休日労働に適用されない

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一方、休日労働の割増賃金率は35%以上です。ただ、休日といっても、この割増賃金率を適用しなければならないのは法定休日だけです。週休2日制の会社では、2日のうちどちらかが、法定休日ということになります。こちらも深夜労働が重なると合算されるため、35%+25%=60%以上の率です。

仮に法定休日が日曜日、所定休日が土曜日の会社で考えてみましょう。土曜日の割増賃金率は、平日と同様に扱われますから、法定労働時間を超えた場合に、時間外労働としての25%以上です。それが深夜帯にかかってくると、さらに25%が加わって、50%以上の率となります。

ところが、その時間外・深夜労働が午前0時を超えると、日曜日に変わることから60%以上の割増賃金率が必要となってきます。つまり、法定休日は、原則午前0時から始まるため、それ以降は休日・深夜労働の割増賃金率が必要なのです。

改正労働基準法でこう変わった!

2010年4月1日の労働基準法の改正で、1カ月について60時間を超える時間外労働は、原則、割増賃金率を50%以上にしなければならなくなりました。もし、その部分が深夜帯にかかれば、50%+25%=75%以上の割増賃金率となります。ただ、この50%以上の割増賃金率の規定は、当分の間、一定の中小事業主に対して猶予措置がなされていることも、押さえておいてください。

さて、紛らわしいのは、この規定は休日労働に対しては適用されない点です。そのため、たとえ時間外労働が1カ月について60時間を超えてきても、法定休日の割増賃金率は50%以上ではなくて、従来どおり35%以上で構わないことになります。また、それが深夜帯にかかってきても、割増賃金率は75%以上ではなくて、従来どおり60%以上の率です。

次回は、心機一転、ファイナンシャル・プランナーに挑戦します。

【第2・第4火曜日に掲載予定】

翠 洋(みす・ひろし)
1958年愛知県生まれ。国際基督教大学教養学部卒業後、ラジオたんぱ(現・ラジオNIKKEI)入社。番組制作、報道、出版事業などを経て45歳で退職。延べ1年半の失業期間の後、NHK「地球ラジオ」の専属ディレクターとして3年勤務。その間、ファイナンシャル・プランナー(AFP)に登録。2007年4度目の挑戦で「行政書士」合格後、行政書士法人で外国人の日本在留ビザ申請代行業務に従事。「社会保険労務士」には、2008年4度目の挑戦で合格。現在は、職業訓練講師として「人事労務基礎科」「基礎演習科」などを教えている。趣味はアルトサックス演奏、温泉巡り。「語学オタク」。

人事・労務が企業を変える 東洋経済HRオンライン

 

 

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