認知症の人の理解が一気に進む「5つの会話術」 会話がスムーズになるちょっとした「コツ」

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もうひとつ気をつけたいのが、会話の「速度」です。

認知症のリスクのある方や、MCI(軽度認知障害)の方には、私たちが思っているよりもゆっくり話さないと、一つひとつの単語がしっかり頭に届きません。

ゆっくり、一語一語区切って話すこと。

読点ではなく句点を使って話すくらいの余裕が必要です。

言葉が「脳に届いていない」サインを見逃さないで

さらに重要なのは、会話の中にジェスチャーを加えること。

食べる話なら食べる身振り、お風呂なら頭や体を洗う身振りを加えることで、視覚的な情報が脳に届き、会話の理解をうながしてくれます。

書影
『ボケ、のち晴れ 認知症の人とうまいこと生きるコツ』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

きょとんとしたり、ぽかんとしたり。

理解が追いつかないことへの不安から、ソワソワ、イライラしたり、ウロウロ、キョロキョロ目が泳ぐなどの落ち着かない動作は、あなたの言葉が「脳に届いていない」サインかもしれません。

認知症の人とは異なる世界に日常がある私たちは、ついついいつものクセで、普段どおりの話し方をしてしまいます。言葉を重ねすぎていないか、話すスピードが速すぎないか、一度立ち止まって、振り返ってみてください。

それがお互いの晴れ間を増やすことを、私は大森さんから教わりました。

漫画
(画像:『ボケ、のち晴れ 認知症の人とうまいこと生きるコツ』より/マンガ・中川いさみ)
川畑 智 理学療法士

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かわばた さとし / Satoshi Kawabata

2002年、熊本リハビリテーション学院卒業後、国家資格「理学療法士」を取得。急性期・回復期・維持期のリハビリに携わる。病院・施設勤務の経験と、地域づくりやまちづくり、社会福祉協議会勤務の経験を活かし、水俣病発生地域における介護予防事業(環境省事業)や、熊本県認知症予防モデル事業プログラムの開発を行う。2015年、株式会社Re学を設立。熊本県を拠点に、病院・施設における認知症予防や認知症ケアの実践に取り組むと共に、国内外における地域福祉政策携わる。

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