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ヤマト運輸にも勧告! 「トラックGメン」の奮闘 国土交通省で2023年7月に発足、全国に162人

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ヤマトも過積載の指示などで国交省から勧告されていた。

トラックとスーツ姿の男性のミニチュア
(写真:takahiro.048 / PIXTA)

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名指しされたのは荷主企業ではなく、宅配便首位のヤマト運輸だった。1月26日、国土交通省はヤマトと王子マテリアの2社に、貨物自動車運送事業法に基づく「勧告」を初めて行った。

すでに国交省は2022年11月、ヤマトに対し、下請け会社に過積載での運行を指示したとして是正の「要請」をしていた。

だがその後も長時間の荷待ちや契約にない業務、運賃の不当な据え置き、無理な運行依頼など、法令違反につながる行為があったとして勧告。今回の公表に至った。早急な是正と改善計画の提出を指示している。

ヤマトも運送を担う会社。荷主に悪条件を突きつけられたら苦しい。下請けなくして宅配は成り立たないが、元請けとして負担を強いていた事実は、業界のあしき慣習を示す残念な例だった。

パワハラまがいの取引は日常茶飯事

物流業界は荷物を依頼する荷主の力が圧倒的に強い。荷主にとって、物流費は単なるコストで運送会社は下請け、との意識は根強い。ドライバーに何時間も荷待ちさせる、荷降ろしやラベル貼りなど契約にない作業を強いる。パワハラまがいの取引は日常茶飯事だ。

悪習にメスを入れるべく、23年7月に発足したのが、国交省の「トラックGメン」。荷主や元請けが適切な取引を行っているかを監視するのが役目だ。

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