路線バス「消滅」の背景には、人が集まらない現実がある。
「2024年問題」が懸念される4月1日まで約1カ月。トラック、タクシー、バスはいずれも人手不足が深刻だ。
『週刊東洋経済』3月2日号の第1特集は「物も人も動かない ドライバーが消える日」。全国で滞る物流や人流の最新事情をリポートし、その処方箋を探る。
大きな車体のバスを自在に操り、大勢の乗客を乗せて走る「バスの運転手さん」は、子どもが憧れる職業の1つ。
だが、現実にはなり手不足や離職者増加で、バスドライバーの数は減り続けている。背景にあるのは他産業に比べて低い賃金や長い労働時間といった待遇の問題だ。
「毎日が綱渡りという表現がぴったり」
首都圏のあるバス会社に勤務する50代の路線バスドライバーは職場の状況をこう語る。この会社はドライバーの不足による減便や運休、廃止をしていない。それでも、運行ダイヤは切り詰められて遅れが出ることも多く、終点での折り返し時間に休憩が取れないことがほとんどという。
足りない人手を時間外勤務で補う
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