「6浪が理由で就活惨敗」追い詰められた彼の顛末 どん底だった20代、32歳で長年の夢をかなえた

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そのまま就職する勇気もなかったため、5浪目はアルバイトをしつつパチンコで生計を立てるようになりました。さらに、この年、銀行に入った中学の同級生に彼女を取られてしまう憂き目にも遭います。

「その男と彼女の浮気現場に居合わせたんです。そのとき、男からも『大人になれよ』と言われました。中学時代の自分を知っている人間に、髪が伸び放題で風呂も入らず、酒浸りになっていた今の自分を見られて、すべての心が折れてしまったんです。本当に人生でいちばんひどい生活をしていて、精神的にもつらい時期でした。あのとき、彼女がゴミを見るような目で私を見たのが忘れられません」

父の人生の晴れ舞台でまさかの失態

酒浸りになっていた彼は、6浪目に突入しても、年明けごろまで自暴自棄の生活を続けました。しかし、2月に今の自分を変えようと思えた出来事が起こります。

「父が長年勤めた会社を定年退職したのですが、会社がハイヤーを出し、花束を贈呈して家まで送ってくれるという特典があったんですね。まさに父にとって、人生の晴れ舞台だと思います。その日母親はパートで父を出迎えられないから、『マンションの下で父を待って、帰ってきたらお疲れさまって言ってあげてね』と言われていたんです。

でも私は、父親が帰ってくるまでに時間があったのでお酒を飲み始めたんです。すると眠ってしまって……。目が覚めたら家の中に父親がいて、やってしまったと思ったんです。ただでさえ家でプー太郎をしているのに、父親の定年の日に労いの言葉ひとつもかけられない、最低の自分にまたショックを受けたんです」

逃げるようにパチンコに行って大当たりしたものの、父にしたことの罪悪感がずっと消えなかった海洋さん。

積み上がる玉箱を見ながら父のためにできることを考えていたとき、「今からでも受けられる大学はないだろうか」と考えたそうです。

思い立った彼はフィーバー中のパチンコをやめてすぐ家に帰り、受験本を調べました。すると、海洋系大学はもう受けられなかったものの、夜間の私立大学工学部の出願がまだ間に合ったのです。決心した彼は、迷わずここを受験すると決めました。

「大学を受験しようと思ってから、頭の中のもやが晴れていく感覚でした。試験日まで2週間しかなかったのですが、とにかくほぼ徹夜でひたすら演習問題を解いたんです。これでダメでも、もう一度浪人して大学に入るんだと決意を固めていました。満身創痍で挑んだ結果、無事に合格したんです」

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