グーグル「楽しい職場カルチャー」が激変していた 「最高の職場」に広がる無気力と無秩序
グーグルの最高経営責任者(CEO)スンダー・ピチャイが総従業員数の6%にあたる1万2000人を削減すると発表し、「未来に対応するための難しい決断」だったと述べたのは1年以上前のこと。
こうした人員削減は今年に入り、ピチャイの言う、小規模だが年間を通じて継続的に行われる可能性があるレイオフに移行してきている。1月初め以降、同社が解雇した従業員数は1000人を超し、広告販売部門、YouTube、音声アシスタントの開発に携わっていたメンバーが影響を受けた。
「AIリストラ」で崩れた「特別な職場」
グーグルの親会社アルファベットは、人工知能(AI)への投資を拡大するために経費の削減に努めていると述べている。グーグルの広報担当者はまた、社員が自社の最重要課題に集中できるよう、組織の効率化を図っていると説明した。同社はさらに、全社的なレイオフを行っているわけではなく、組織再編は通常の会社運営の一部であるともしている。
「現実として、こうした投資を行えるようにするためには厳しい選択をする必要がある」。ピチャイは1月17日付の従業員宛文書で、これは一部の部門にとっては「組織再編を、場合によっては仕事が消えることを意味する」と述べ、年間を通じて追加の人員削減が行われる可能性もあると付け加えた。
従業員によると、職場の雰囲気は暗く落ち込んだものになっている。グーグルはマイクロソフトや新興企業オープンAIをはじめとする競合他社に後れを取らないようAI開発のギアを上げているが、技術開発を担う従業員の一部は、自分たちは以前ほど重要視されなくなったと感じるようになっている。
「今では午後4時半には建物の半分が空っぽになる」。ハーシュ・セリオーはLinkedInの投稿に「以前は自分も含めて、たくさんの従業員がデモを仕上げたり、退屈をしのいだりするために、夜や週末に喜んで追加の仕事をしていたが、そうしたものはなくなった」と記した。