家に求めるものの3つ目は資産性で、お金の問題である。
マンションは買った価格から値上がりすることがあるが、戸建てでは原則ない。誰にでも必要な自宅で住み替えながら資産形成できるのはマンションだが、戸建ては木造の耐用年数である22年は住み続けることが求められる。中古戸建ての取引価格は、土地価格+減価償却後の建物価格となるが、土地価格は安定していてほぼ下がらないのに対して、建物価格は22年でゼロ評価になるからだ。
家を売却する際は住宅ローンを全額返済しなければならない。資産価値が最初の22年下がりやすい戸建てにとっての最大のリスクは離婚だ。どんなことがあっても離婚しないというなら、戸建てを選択することができる。
戸建ては評価に大きな差が出る
安全性・断熱性・資産性の3つの評価軸から、マンションと戸建てを評価しよう。マンションは鉄筋コンクリート造なので、圧死するリスクが低く、冬は室内も寒いがヒートショックを起こすほどではない。非常に優れているとはいえないが、この2点でどの物件も100点満点中70点程度で大きな差がなく、一定の安心感はある。
だからこそ、差がつくのは資産性で、立地の良し悪しで価格の下がり方が大きく違い、都心のタワーマンションなどでは資産形成しやすいことは証明できている。
戸建ては、資産性は建物価格の減価償却で下がるしかなく、値上がりはほぼ期待できない。一方で、安全性・断熱性は建てる側の一存で、評価点としては30~90点まで大きな差が出るイメージになる。マンションがどれも70点ほどなのに対して、それを上回るレベルから、大きく下回るレベルまで雲泥の差がつくのが戸建て業界の実態だ。
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