経年で劣化してしまう木造は倒壊リスクが相対的に高い。また、住宅性能評価における耐震性能は等級が存在し、この等級が建築基準法と同等で耐震等級1、1.25倍で等級2、1.5倍で等級3となる。
熊本地震のその後の調査結果では、建築基準法レベルでは無被害が6割で、4割が被害を受けており、倒壊・大破は6.3%に及ぶ。これが等級3になると無被害が87.5%、残りは小破・軽微にとどまっており、その性能差が明らかになった。まずは耐震等級の高い家に住むことが第一となる。
断熱性能を上げると各種疾病が改善
家に求めるものの2つ目は、断熱性と快適性で、健康に関わる問題である。日本の家は冬が寒く、夏は暑い。これは断熱性能が低いせいで、諸外国と比較すると発展途上国並みとなる。断熱性能を先進国並みに上げて、気密性を高めて、24時間換気をきちんとすれば、冬でもTシャツ一枚で過ごせる環境を作ることができる。
近畿大学の岩前篤教授が長年調査した結果によると、引っ越し先の断熱性能のレベルで各種疾病の改善率が大きく違うことがわかっている。アレルギー性鼻炎、手足の冷え、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎などが改善するのだ。これは室内の空気環境を良好にすることの効果である。
また、急激な温度変化によって脳卒中や心筋梗塞などを引き起こすヒートショックは冬場の風呂場で高齢者が発症することが多い。厚生労働省の調べで、入浴中の事故死の数は年間1.9万人に及ぶと推計されている。
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