「杉並区初の女性区長」撮った映画が共感集める訳 Xでも「やっと入れたの声」、異例のヒットが続く
ぺヤンヌさんと同じく、選挙ドキュメンタリーを手がけている大島新さんは、『区長になる女。』の映画としての真価は、なぜリベラル勢力が選挙で勝つことができないのかという理由を包み隠さずに映し出している部分にあるという。
「たとえば、与党である自民党は考え方が全然違っても最終的に勝てればいい。つまりベースが現状維持だから、もめない。いっぽう、現状を変えたいという人たちは主張が強い分、小さな差異が許せない。
映画の中でペヤンヌさんも告白されていますが、(会議を重ねるにつれ笑顔が薄れ、眉間のシワが目立つ)岸本さんがもう立候補をとりやめるんじゃないか。そういう空気もちゃんと描けていましたよね。
負の部分も見せたうえに、岸本さんの当選がある。このカタルシスはすごい。なおかつ、ここで終わるだろうという場面のあとに『えっ!?』というクライマックスがある。
パンフにも書かれていますけれど、『香川1区』(大島さん監督作品)がポレポレで4カ月ロングランしたラストの頃に、ペヤンヌ監督が岸本さんと観に来られていた。僕はそれを後で知ったんですが、映画のバトンを渡せたようでよかったと思っています」(大島さん)
大阪や神戸でも上映が決定
ドキュメンタリー界に新たな風を吹かせた、『区長になる女。』。ポレポレ東中野で2月末まで上映延長が決まり、大阪・第七藝術劇場、神戸・元町映画館でも上映中。先日もペヤンヌ監督は駅頭から商店街を手作りサンドイッチマンスタイルで街宣していた。
杉並という東京の街の出来事だが、きっとほかの地方の観客たちも、観終わった後に共感の想いを抱くのではないだろうか。
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