日本が世界に誇る映画監督・北野武の6年ぶりにして監督19作目、構想30年の戦国スペクタクル『首』。今年5月の「第76回カンヌ国際映画祭」カンヌ・プレミアに正式出品され、世界中から熱い注目を集めていた中、いよいよ劇場公開される。
「本能寺の変」の秀吉黒幕説
本作は北野監督の初期代表作の1本『ソナチネ』(1993年)と同時期に構想が生まれ、生前の黒澤明監督が「北野くんがこれを撮れば『七人の侍』と並ぶ傑作が生まれるはず」と期待を寄せていた企画。そこで描くのは、80を超える説があるという「本能寺の変」の、羽柴秀吉(豊臣秀吉)黒幕説だ。
明智光秀を使って徳川家康を殺そうとした織田信長が、光秀の裏切りに遭う。その裏で光秀を動かしていたのは秀吉という構図だ。本作ではその謀略が二重三重に複雑に絡み合って張り巡らされる。
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