「杉並区初の女性区長」撮った映画が共感集める訳 Xでも「やっと入れたの声」、異例のヒットが続く
東京・中野のミニシアター、ポレポレ東中野で2024年1月2日の公開初日から連日満席札止めのドキュメンタリー映画がある。『映画 〇月〇日、区長になる女。』(以下『区長になる女。』)だ。
行政主導の再開発、道路拡張、施設再編計画。これに異議を唱えた住民たちが中心となり、ヨーロッパでNGO職員をしていた岸本聡子さんを区長選の候補に推した。2022年6月の選挙結果は187票差で3期12年続いた現職区長を破り、岸本さんが当選。岸本さんは杉並区では初の女性区長になった。
監督は杉並区に住む劇作家のペヤンヌマキさん。「草の根選挙の奇跡」といわれた区長選の舞台裏を、丁寧に映し出した。
ミニシアター苦境の中で、異例のヒット
X(旧Twitter)で「入れなかった」「やっと観られた」とのポストも、公開後の客入りに勢いをかけた。公開ひと月でポレポレ東中野の観客動員数が4000人を超えたことは、ミニシアターの苦境が伝えられる中での朗報だ。
満席がつづく背景を、ポレポレ東中野代表の大槻貴宏さんに尋ねると「ヒットの理由? 一言でいえば映画として、面白いからでしょう」という答えが返ってきた。
「まず、観終わったあとも感情が動くんです。(同じく政治をテーマに扱うドキュメンタリー映画)『なぜ君は総理大臣になれないのか』のときも、初めて見たときにめちゃくちゃ面白かったのですが、監督の大島新さんが『社内で、誰も知らない政治家の話を誰が観るんですか?』と言われたというのを、私が『いやいや、こんなにドラマとサスペンスのある面白い映画はないから』と押しました。
『区長になる女。』もまた、映画を見る前からみんな選挙の結果はわかっている。けれども、うんざりするような場面で、(岸本さんは)もう途中で選挙を降りるんじゃないか、とハラハラし、わくわくもする」(大槻さん)
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