では、残りの5%は何によるのでしょう?
割合ではなく、わかりやすく説明するために、実数の人口で見てみましょう。出生動向基本調査の各年の割合を、それぞれ国勢調査における年齢別人口と掛け合わせて算出した「年齢別恋人のいる独身人口」が以下です。
これを見ると、特に18-24歳という若い年代では全体的に「恋人あり」の人口は男性より女性の方が多くなっています。では、その分25歳以上では男性が多いかというと、確かに、25-29歳では1990年まで、男性の方が多く、これは「20-24歳の女性と25-29歳の男性のカップルが多かったのだな」と推定できるのですが、1990年代以降は、25-29歳での恋人のいる男女人口は同等で、一体18-24歳の女性のいう「恋人」とはどこにいるんだろうという話になります。
結論からいえば、これは、一部の恋愛強者による二股、三股交際です。加えて、既婚男性が独身と偽った交際もあるでしょう。そもそも「恋人がいる」かどうかはあくまで本人の主観判断ですから、現実としてそういうことは起き得ます。女性からすれば「なんで二股とかするわけ?」と思ってしまうかもしれませんが、独身である以上法的な縛りはありませんし、そもそも呼吸するように恋愛をしてしまう恋愛強者とはそういうものです。
恋愛強者による複数交際の影響
問題は、この恋愛強者の二股以上の複数交際が、1995年以降増えたことと全体の初婚数が減ったこととが見事に対応している点です。つまり、1980年代までの皆婚時代は、モテる男ほど早々に既婚者になってくれたために、残りの7割から続いて3割の恋愛強者に昇進し、それがまだ結婚して……を繰り返すことで、結果よい「恋愛循環」が完成していました。
しかし、1995年以降、恋愛強者はいつまでも強者のまま独身であり続け、恋愛を謳歌するようになったがために、残りの7割が割を食う結果となり、結婚のチャンスすら得られなくなったと考えられます。
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