興味深いのは、冒頭に述べた「働きアリの法則」と同様ですが、個人の能力の問題ではなく、置かれた環境の中で相対的に「モテる・モテない」が決まることです。仮に、クラスの中でモテる3割の男子が全員転校してしまったとしたら、残った7割の中から上位3割のモテる子が生じます。
したがって、いつの時代も3割しか恋愛強者がいないのに、なぜ1980年代までは皆婚できたのか?という疑問が払拭できます。彼女・彼氏のいる恋愛強者から結婚していけば、当然残された7割が恋愛強者へと相対的に格上げされていくからです。恋愛強者が早々に既婚者となってくれればくれるほど、残りの7割にチャンスが巡ってくるわけです。
反対に、この恋愛強者の3割がいつまでも結婚せずに独身のままで、恋愛市場から脱退しないとどうなるでしょう。7割は7割のまま取り残されることになります。
今、日本で起きている婚姻減少とは、この「恋愛強者3割の居座り」による影響があります。
「恋人のいる率」で男女差がある背景
前掲した「恋人のいる率」の男女推移を再度確認すると、1980年代は別にして1992年以降、男女の差分が10%ポイントもあります。対象が18-34歳なので、35歳以上の年上と付き合っている女性、18歳未満の年下と付き合っている男性もいるかもしれませんが、それだけではこれほどの差は出ません。
10%差の半分は、男女出生性比の差です。そもそも出生する割合は女児100に対して、男児は105生まれてきます。医療の発達した現代では、生まれた子はほぼそのまま成人しますので、5%の差があるのは仕方ないことです。
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