韓流だけじゃない!「新大久保」知られざる大変貌 エスニックビジネスの激戦区、外国人が集まるワケ

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宗教を問わず幅広く売れる鶏肉は、この手のエスニック食材店の「鉄板」だ。それに、どんな民族でもよく使う、ジャガイモやキャベツ、人参、玉ねぎといった野菜は店頭の目立つところに陳列している。しかもけっこう安いのだ。

コーラルビ
見慣れない野菜も発見。「コールラビ」といってベトナム人に人気らしい(筆者撮影)
合わせ調味料
日本人客には合わせ調味料がよく売れるそうだ(筆者撮影)

「入り口にあるものが安かったら、じゃあ中も見てみようって思うでしょ」

日本のスーパーマーケットでも取り入れている戦略なのである。なお野菜や果物はすぐ近くにある淀橋市場や、板橋市場などから日本人の業者を介して仕入れているそうだ。こうしたエスニック食材店でも、取引を通じた日本人との付き合いは欠かせない。

いまやエスニックビジネスの超激戦区

新大久保はいまや、エスニックビジネスの超激戦区となっている。さまざまな国のレストランが並ぶだけでなく、印象的なのは食材店の多さだ。インド、ベトナム、韓国、中国、ネパール、タイ、それにインドネシアやパキスタンといったハラル(イスラム教の戒律で食べることを許されたもの)の店など、30軒以上のエスニック食材店がしのぎを削る。

新大久保には写真のようなエスニック食材店が至るところにある(筆者撮影)

とりわけJR新大久保駅とJR大久保駅の間がすごい。ほんの300メートルほどなのに、周辺の路地も含めると20軒ほどの食材店がひしめく。週末になると、買い物にやってきたさまざまな顔立ちの外国人で賑わう。

「MICスーパー」もそんな一角にあるが、過当競争と思えるこのエリアに、ダスさんはなぜ出店したのだろうか。

「ここはそれだけ人が集まる街なんです」

新大久保は日本人女性にとっては「韓流の街」だが、それは日本に住むアジア系外国人にとっても同じで、やっぱり「遊びにくる街」なのである。

これだけエスニック食材店やアジアのレストランが密集している場所はほかにない。近頃ではサリーなどの民族衣装やアクセサリーを売る店もいくつかできており、ベトナムや中国のカラオケ屋もあれば、ネパールスタイルの美容院もある。故郷に仕送りするための送金ショップも並ぶ。

そんな新大久保にやってきて人と会い、買い物や食事を楽しみ、送金などの用事も済ませて、またそれぞれの街に帰っていく。それも都内や近郊だけでなく、日本全国から集まってくるのだそうだ。

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