韓流だけじゃない!「新大久保」知られざる大変貌 エスニックビジネスの激戦区、外国人が集まるワケ

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「ここはビジネスチャンスの街です。それは間違いない」

そう力強く言うダスさんに「これから新大久保でイケそうなビジネスはなに?」と聞くと「電気製品はいいと思うよ」との答え。言われてみれば新大久保には中古のスマホやタブレットなどを売る店もけっこうある。

「中古のものは秋葉原より安いんですよ。スマホは新大久保からアキバの店に卸していたこともあるくらいです」

なんと新大久保の外国人コミュニティと秋葉原の日本人中古業者が、スマホ取引を介してつながっていたのだ。そんな利点を活かして新大久保に大きな“電脳ショップ”をつくったら、外国人にもデジタルガジェット好きは多いし確かにウケそうだ。

「ファーストキッチン」でアルバイトしたお金で起業

彼ら外国人を商売相手、消費者と見込んでビジネスを展開する日本人も、新大久保には少しずつ出てきている。この分野はまだまだブルーオーシャンなのである。商習慣の違いや言葉の壁から手こずることもあるだろうが、異国にありながらばんばんビジネスを立ち上げ新しいことにトライしていく外国人たちのコシの軽さとエネルギーに、刺激をもらえることは確かだと思う。

ダスさんに「日本人とビジネスをするうえで大事なことは?」と聞くと「時間を守ること」と即答した。街のはんこ屋でちゃんと印鑑もつくっている。

彼のように日本になじみ、経験も長い商人が、新大久保で生きる外国人の1つの典型のように思うが、ダスさんが来日したのは2006年のこと。

「子どものころから日本に興味があったんですよ」

バングラデシュ東部クミッラ出身のダスさんは大学で国文学を専攻する学生だったが、卒業すると日本へ。まずは福岡の日本語学校で言葉を鍛えた。それから東京・吉祥寺にあるビジネス系の専門学校に進学。このときから新大久保で暮らし始めた。

「大久保駅から吉祥寺まで電車で1本だし、新宿でバイトしてたからね」

新宿・紀伊國屋書店の地下にあった「ファーストキッチン」でずっと働いていたそうだ。外国人でも職場が見つけやすい新宿が近いからと、新大久保に暮らす留学生は昔から多い。ダスさんもその1人だった。

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