韓流だけじゃない!「新大久保」知られざる大変貌 エスニックビジネスの激戦区、外国人が集まるワケ
「地方に住んでいる外国人が、東京に遊びにきたから新大久保も行ってみよう、なんてこともあります。ここはそういう街なんです。みんな知ってる」
その性格は年を追うごとに強まっているように思う。僕は新大久保に住んで6年になるが、ここ3年ほどで外国人経営の店は目に見えて増えた。そして多様化してきている。だからダスさんもまだまだ伸びしろを感じ、ここで勝負を賭けたのだろう。
だが競争は厳しい。「MICスーパー」は周囲に乱立する同業者と差別化するため、とくに野菜類を豊富に仕入れ、値段も他店の様子を見ながら安く設定している。そして深夜1時まで店を開けている。
「ほかの店は夜10時とか11時に閉まるからね。その後から来るお客さんも多いんです」
新大久保はまた留学生の街でもある。日本語学校がたくさんあるのだ。働きながら学ぶ苦学生も多い。彼らがアルバイトを終える深夜に開いている店があるというのはありがたい。だから終電まで営業するのだ。なかなかたいへんだが、ダスさんは「大丈夫、ダイジョブ」と笑う。僕と同じく近所に住んでいるので、少なくとも通勤の苦労はないようだ。
店舗が空くと同時に不動産屋へ
「MICスーパー」があった場所は以前、回転寿司屋だった。僕もときどき行っていたので閉店を残念に思ったものだが、地元住みのダスさんもそれをよく見ていて、店舗が空くと同時に速攻で不動産屋に駆け込んだ。
「でも、先にネパール人が手を付けていたんですよ」
あの回転寿司屋は長いことネパール人のおばちゃんたちが働いていたので、彼らのほうが情報が早かったのかもしれない。ガックリしたダスさんだったが、数日後に電話が鳴った。不動産屋からだった。
「ネパール人が入る話が流れたから、ダスさん借りない?って」
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