サイバー対策を機に走りを深化「マツダ」の執念 大規模改良でロードスターはどう変わったか?

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ロードスターオーナーには、サーキット走行を楽しみたい人も多い。そこでマツダは、1.5リッターのMT車にかぎり、ダイナミックスタビリティコントロールに「DSC-TRACK」というモードを追加した。

これは「ドライバーが制御不能なスピン挙動におちいった場合に限って制御を介入させる」というもの(今回のテストドライブでは未体験)。

今回は、もっともベーシックな「ロードスターS」(新価格は20万9000円高になって289万8500円)と2.0リッターの「ロードスターRF RS」(32万100円高の430万8700円)のMT車をドライブした。開発者の思惑通り、キャラクターがけっこう違っているのがよい。

「RF RS」のシートはRECARO製のナッパレザー/アルカンターラ仕様(筆者撮影)
「RF RS」のシートはRECARO製のナッパレザー/アルカンターラ仕様(筆者撮影)

1.5リッターと2.0リッターのMTに試乗

ロードスターSは、車重が少し増えて1010kgになってしまったものの、軽快な楽しさはやはり最大の魅力。前出の梅津主席エンジニアの言葉どおり「ひらひら」という感じでカーブからカーブへと走らせられる。

中速コーナーが連続する道では3速がメインで、4000rpmから上のエンジン回転を維持すると自在に加減速でき、気持ちよい。

4000rpmから上で太いトルクが得られる特性について、「常用回転域としてはやや高すぎるのでは」と私が感想を述べると、梅津主席エンジニアは「レッドゾーン近くまでエンジンを回して走るのが、サーキットでも楽しめるロードスターの真骨頂です」と、クルマ好きにとって嬉しくなるような返答を得た。

軽量「990S」は廃止されたが、「S」もスポーツドライビングを楽しませてくれる(筆者撮影)
軽量「990S」は廃止されたが、「S」もスポーツドライビングを楽しませてくれる(筆者撮影)

ただし、実用上は2000rpmも回っていれば大丈夫なので、どこでも6000rpmをキープしなくてはいけない、ということはなく、自分の運転スタイルを選べる。

今はあまり聞かなくなったが、ライトウェイト(軽量)スポーツカーというジャンルにこだわる、昔かたぎなところがたいへんよい。

2.0リッターのRF RSは、従来型との比較試乗をさせてもらった。たしかに、アクセルペダルを踏む力の加減に合わせて駆動力の応答性を高めたという開発者の言葉を裏書きするように、中間加速での速度の乗り方がとてもよい。

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