加えて、エンジン音も低回転域から気持ちよく聞こえる「サウンドエンハンサー」が新設計されたとの説明のとおり、すっきりした中低音がなかなかよかった。「スポーツカーを運転しているんだ」という、楽しい気分が盛り上がる。
ドライブトレインは、先に触れたとおり1.5リッターと2.0リッター、ともにMTとATが選べる。仕様は、モータースポーツベースのシンプルなものから、いきなり好調な売れ行きを記録しているという新設定の豪華仕様「ロードスターSレザーパッケージVセレクション」(355万3000円~)まで、豊富だ。
将来の電動化が避けられないからこそ
「ロードスターは今も高い人気を保っている車種であり、われわれとしても、できるだけ長く現行のND型を作っていきたいと考えています」
商品本部の齋藤茂樹主査はそう言う。
将来、仮にNE型とでも呼ぶべき新型にモデルチェンジするときがきたら、電動化は避けられないだろう。そうなるとバッテリーによる重量増が、軽さを命とするロードスターと相容れない。
それ以前にも問題はある。排ガス規制がうんと厳しくなるとともにブレーキダストなどの規制強化を盛り込んだEUによる次期排ガス規制案「ユーロ7」が(近い将来)実施されると、それが命取りになりかねない。
もちろん、自動車好きとしても環境規制に反対はできないので、今は「ユーロ7が施工されても、中断なしに生産を継続できるよう知恵をしぼっています」(齋藤主査)という言葉を信じるしかない。
ロードスターというすばらしいプロダクトの延命は、私たちにとっての願いである。
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