オンライン発表から4カ月弱、待ちに待ったマツダ「ロードスター」大幅改良車の公道試乗会に参加することができた。試乗の第一印象は、「ヤバいクルマになった」である。
試乗会の流れは、リトラクタブルハードトップの「RF RS」とソフトトップの「S」、それぞれの新旧乗り比べ、ロードスター主査の齋藤茂樹氏を筆頭とするエンジニアやマーケティング関係者との意見交換、さらにソフトトップ「Sレザーパッケージ・Vセレクション」の試乗という流れであった。
今回は、ダイナミクス(クルマの動き)性能に絞って話をしていく。まず、「RF RS」から話を進めるが、新旧2台の差は極めて大きかった。
レーシングカーに例えるなら「タイムが出るマシン」
RFのエンジンは、ソフトトップの1.5リッターに対して2.0リッターとなり、RSグレード同士で比べると車重は1110kgと70kg重い。
旧型モデルでは、RSは17インチホイールを履くこともあり、乗り味はズッシリした印象。ハンドリングは、ハンドルの中立の状態でややフィーリングが軽くなるオンセンターフィールがあり、コーナーリング中はハンドルを両手でしっかりホールドして走る必要があった。
新型のRF RSに乗ってみると、そうしたハンドリングの雰囲気が、完全に解消されていて驚いた。
切った分だけしっかり曲がり、コーナーの中でもクルマの重さを感じず、コーナー後半からはグイグイと加速したくなる。また、エンジン音の雑味も消えていた。
クルマの動きの自由度が増し、思い通りに走れるようになったため、道が広くなったように感じるほど。エンジン、サスペンション、そしてタイヤが持つ本来のパフォーマンスを発揮している印象だ。「人馬一体」感が一気に上がり、結果的に疲れにくいクルマになったといえる。
レーシングカーに例えるならば、セッティングがドンピシャで「タイムが出るマシン」であり、「決勝での追越しがしやすく、安定したラップタイムが刻めるマシン」だと言えるだろう。素直な表現として「ヤバいクルマ」なのである。
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