2024年、マツダの2人乗りオープンスポーツカー「ロードスター」が、生誕35年目を迎える。
1989年に「ユーノス・ロードスター」の名で登場し、今も国内で唯一無二のオープンスポーツカーとして根強い人気をほこる、言わずとしれた1台だ。
ロードスターが長らく、人気を維持している理由は数多くある。しかし、ロードスターを25年以上にわたり愛車としてきた筆者が思うに、もっとも重要なことはやはり「ライトウェイトスポーツであること」だ。
ライトウェイトの魅力と苦悩
ライトウェイトスポーツは、戦後間もない英国で大いに盛り上がったクルマのジャンルだ。小さく軽量、そして後輪駆動(FR)のオープンカーが、数多く生まれて人気を集めた。
ロータス「エラン」「MG-A」、トライアンフ「スピットファイア」、オースチン「ヒーレー」など、綺羅星のような名車が存在する。
小さいから軽快に走るし、安価であったことも人気を集めた理由だ。ただし、パワーがないため速いわけはなし、決して豪華なクルマでもない。
「軽快で楽しい」と「手の届く安価」の2点。これがライトウェイトスポーツカーの神髄となる。ロードスターは、その神髄を再現したからこそ、世界中にファンを生むことに成功したのだ。
しかし、ライトウェイトスポーツの魅力は、理解されづらい。実際に乗ってみなければ、ピンとこないはずだ。「スポーツカーなのに速くない」「2人乗りは不便」「屋根が幌なんて危険だ」といった、反対意見も数多くある。
実際に、ロードスターが生まれた1980年代後半は、世界的にライトウェイトスポーツカーは絶滅状態だった。
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