ロードスターを「ヤバいクルマ」と思ったワケ 8年ぶり大幅改良はユーザー想定外の出来栄え

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まさか、RF RSに乗ってこんな気持ちになるとは、試乗前にはまったく予想していなかった。そのうえで、こう思った。

「マツダスピリットレーシング仕様の期待が高まるなぁ」と――。

マツダは東京オートサロン2024で、スーパー耐久シリーズで培った知見を生かし、ロードスターと「マツダ3」にマツダスピリットレーシングのブランディングの一環としたコンセプトモデルを出展した。

東京オートサロン2024に出品されたマツダスピリットレーシング仕様のロードスターとマツダ3(筆者撮影)
東京オートサロン2024に出品されたマツダスピリットレーシング仕様のロードスターとマツダ3(筆者撮影)

ロードスターは、ソフトトップだがエンジンは2.0リッター。マツダ幹部らによれば「量産を前提に鋭意開発中だが、社内ではどこまで(パフォーマンス系に)振るかを議論しているところ」と量産に向けた本気度を示している。

ロードスターは、RFを含めて、あくまでもライトウェイトオープンスポーツカーであり、ハイパフォーマンス仕様を望むユーザーは少ないと思う。

だが、ロードスターというクルマの「間口の広さ」や「さらなる進化の可能性」という意味で、RF RSやさらにその先のハイパフォーマンス仕様の存在は、ロードスター全体の進化にとって重要な意味があるものだ。

これまで長きにわたり、ロードスターの進化を肌感覚で捉えてきた者として、そう思う。

ソフトトップモデルに載る1.5リッターエンジン(筆者撮影)
ソフトトップモデルに載る1.5リッターエンジン(筆者撮影)

次に、ソフトトップのSに乗った。ハンドリングと走り味は、全体として「引き締まった」印象だ。「キビキビ動く」とか「すっきり動く」といった単調な表現ではなく、あくまでも「引き締まった」である。

「人馬一体」感の進化としては、先に乗ったRF RSに比べると、正常進化という印象だ。改良前と比べて車重は増えたが、それが走りの中でネガティブ要因として感じるシーンは特になく、軽快な走りを見せた。繰り返すが、クルマが「引き締まった」のである。

なぜ、今「大幅改良」なのか?

ここで試乗をいったん終えて、マツダ関係者との意見交換の場面に話を移す。

齋藤主査は開口一番「(今回の大幅商品改良の)トリガーは、今年7月までに実施しなければならないサイバーセキュリティ法への対応だ」と指摘した。

サイバーセキュリティ法とは、国連欧州経済委員会の自動車基準調和世界フォーラム(通称WP29)の分科会で議論されてきた法基準だ。

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