ロードスターを「ヤバいクルマ」と思ったワケ 8年ぶり大幅改良はユーザー想定外の出来栄え

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コネクティビティ関連では、マツダコネクトが最新仕様となり、8.8インチディスプレイをロードスター用に新たに設定した。当初はマツダ3用の移植も検討したというが、助手席のエアバッグ展開エリアとの関係など、さまざまな考慮の末、縁の少ないスマホのような形で新設となった。

マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)も、ロードスターで初採用。最新のミリ波レーダーが、フロントグリルから多少オフセットしても差動するようになったことが、採用の大きな理由だ。

ただし、ヨーロッパ仕様車の場合、ナンバープレートが横長であるため、採用しようとするとフロントグリルやバンパーを新設する必要がある。そのため、MRCCは日本や北米などヨーロッパ以外での設定となる。

さらに「せっかくなのでメーターやバックミラーも変えた」(齋藤主査)という。

中央のミラーがフレームレスになっているのがわかるだろうか。内装の基本デザインは変わらない(筆者撮影)
中央のミラーがフレームレスになっているのがわかるだろうか。内装の基本デザインは変わらない(筆者撮影)

メーターの文字盤を漆黒化し、針はシャープでスッキリとした形状となった。バックミラーはフレームレスで上下幅が小さくなり、さらに形状を逆台形としてシートデザインとの親和性を高めている。

デザイン面では、センターコンソールに表皮を巻いて上級に仕上げた。実質的には、以前量産した「キャラメルトップ」で採用した仕様の再登場である。こうした表皮巻きは、既存車でのレトロフィットが可能だ。

外装色では、エアログレーメタリックを採用。ホイールも新設した。16インチはスポーティな伸びやかさを強調してより大きく見えるようにし、17インチではよりエレガントな雰囲気を狙ったデザインとした。

軽井沢ミーティングでの「非公式」発言

齋藤主査は2023年4月、改良型の開発が完了し、マスターカーで社内試乗会を行った際、「いい仕事ができた。これはファンが喜んでくれるだろうな」という思いを抱いたという。

新型ロードスターの運転席に座る齋藤主査(筆者撮影)
新型ロードスターの運転席に座る齋藤主査(筆者撮影)

その気持ちが同年5月末、ロードスター軽井沢ミーティングで抑えきれず「今年秋、大きな商品改良をする」と、非公式な発言をしてしまうことにもつながった。

軽量化を突き詰めた「990S」の販売が秋までに終わることもこの場で明かし、さらに齋藤主査自身が個人的に990Sをオーダーしたことも話した。そのため、軽井沢ミーティング後に990Sの販売数が一気に伸び、990Sを含めたロードスター全グレードが2023年6月末で売り切れてしまう事態となった。

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